2011-12-01

C.J. BOX

The Joe Pickett Novels 
Open Season (2001) ISBN 978-0399147487
Savage Run (2002) ISBN 978-0399148873
Winterkill (2003) ISBN 978-0425195956
Trophy Hunt (2004) ISBN 978-0399152009
Out of Range (2005) ISBN 978-0399152917
In Plain Sight (2006) ISBN 978-0399153600
Free Fire (2007) ISBN 978-0399154270
Blood Trail (2008) ISBN 978-0399154881
Below Zero (2009) ISBN 978-0399155758
Nowhere to Run (2010) ISBN 978-0399156458
Cold Wind (2011) ISBN 978-0399157356

The Stand-Alone Novels
Blue Heaven (2008) ISBN 978-0312365707
Three Weeks to Say Goodbye (2009) ISBN 978-0312365721
Back of Beyond (release date: 8/2/2011) ISBN 978-0312365745
Limited Edition Short Stories Dull Knife (2005) ("A Joe Pickett Story")
The Master Falconer (2006)
le Sauvage Noble (2007)

2011-09-21

Glenn Gould on Television - The Complete CBC Broadcasts(10DVD)Limited Edition[輸入盤]



グレン・グールド生誕80年・没後30年記念リリース第1弾! [EU輸入盤]来る2012年はグレン・グールド(1932-1982)の生誕80年・没後30年にあたります。当ボックス・セットは、その記念リリースの第1弾として、グールドがカナダ放送協会(CBC)のために演奏・制作し実際に放映されたTV番組をDVD10枚に集大成したものです。1954年~1977年にかけて制作・放映され、CBCのアーカイヴに保管されていた19時間以上にわたるTVドキュメンタリー、演奏シーン、インタヴュー、対談などの全映像がこれを機に初めて一つのセットにまとめました。TV番組の制作は、グールドの芸術活動において極めて重要な意味合いを持つものとして位置づけられ、数多くの映像が残されています。今回はTV番組が当時放映された形で収録されることで、6時間にわたるグールドの語り、インタヴュー、対談部分、演奏など、これまで未発表だった映像も含め、文献などでしか知ることのできなかったその全貌が初めて明かされます。

・仕様:スリム・アマレイ・ボックス収納 
・オールカラー別冊解説書付き、ライナーノーツ:ティム・ページ(英/独/仏)
・音声:リニアPCM/モノラル 
・画面: 4:3 
・フォーマット:NTSC、モノクロおよびカラー、字幕なし



【「グレン・グールド・オン・テレヴィジョン――1954-1977年全放送」に寄せて  宮澤淳一 】
グレン・グールドがCBC(カナダ放送協会)に残したテレビ番組のほぼすべてを網羅した企画。今日、20世紀最大のピアニストのひとりとして不動の地位にあるグールドだが、彼が才能を発揮した分野に放送番組の制作・出演があることを忘れてはならない。特に彼はテレビ番組の可能性にいちはやく気づいたクラシックの演奏家のひとりであり、テレビ・パーソナリティとしても大きな魅力を放っていた。
今回リリースされる10枚からなるDVDボックスは、彼がコミットしたCBCのテレビ番組を、できる限り番組単位でそのままファンに届けるものである。グールド本人の演奏はもちろん、彼独特のユーモアに満ちた楽曲の説明が随所に加わる(おそらくグールドは『ヤング・ピープルズ・コンサート』などを作ったレナード・バーンスタインを意識していたのであろう)。これまでグールドの演奏部分の映像はブリューノ・モンサンジョンが編集・構成した『グレン・グールド・コレクション』(LDとして1992年、DVDとして2008年)に取り込まれてリリースされてきたが、今回、『グレン・グールド・オン・バッハ』『フーガの解剖』『ソヴィエト連邦の音楽』『よい聴き手』など、番組単位に映像が復元されることで、パーソナリティとして、プロデューサーとしてのグールドの才能の全貌が見え、彼のピアノ演奏も、彼の加わらない楽曲の演奏も含めて、総合的な芸術作品として映像を楽しむことができる。また、今回本格的な初リリースとなるのが、BBCのために制作した『グレン・グールドとの対話』全4回(1966年)で、BBCの名プロデューサー、ハンフリー・バートンとの対話で進むその番組は、モンサンジョンと作った『バッハ・シリーズ』(あの《ゴールドベルク変奏曲》を含む)の原型としても興味深いであろう。加えて、ラジオ・ドキュメンタリーに基づく『北の理念』テレビ版(1970年)は、グールドがカナダの極北に寄せたイマジネーションが映像化されたものとして、ファン必見の物語である(冒頭にグールドも出演!)。そのほか初期の映像や、70年代の未完に終わったシリーズ番組『われらの時代の音楽』など、グールドが輝いていた1950~70年代の北米に私たちをタイムスリップさせてくれる映像が満載である



【収録予定曲】*は初出映像(解説やエンドクレジットも含む)、◆はCBCでの放送番組名を示します。

DVD 1 187分53秒
◆『コンサート・アワー ―――ベートーヴェンとプッチーニ』 [1954年12月16日放映]
1.イントロダクション*
2.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15~第1楽章(カデンツァ:グールド)
◆『クライスラー・フェスティヴァル』 [1957年2月20放映]より
3.エレーヌ・グラントによるイントロダクション*
4.バッハ:パルティータ第5番ト長調BWV829
~II.アルマンド、IV.サラバンド、V.クーラント
5.エレーヌ・グラント、グールド、モーリン・フォレスターによるイントロダクション*
6.マーラー:交響曲第2番~第4楽章「原光」
◆『女王陛下のための挨拶と音楽』 [1957年10月13日放映]
7.イントロダクション*
8.バッハ:ピアノ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056~第2&3楽章*
◆1957年(10月22日)放映
9.バッハ:ピアノ協奏曲第1番ニ短調BWV1052
◆1958年放映(おそらく1959年の『グレン・グールド・オフ・ザ・レコード』と同じ?)
10.バッハ:パルティータ第2番ハ短調BWV826より(リハーサル)
◆1960年(10月11日?)放映
11.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番ニ短調Op.31-2「テンペスト」
◆『話題はベートーヴェン』 [1961年2月6日放映]
12.グールドによるイントロダクション*
13.ベートーヴェン:エロイカの主題による15の変奏曲とフーガ変ホ長調作品35
14.グールドによるイントロダクション*
15.ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番イ長調Op.69
◆『インターテル:文化の爆発』 [1966年11月9日放映]より
16.グールドへのインタヴュー*
◆『テレスコープ:グレン・グールド変奏曲』 [1969年5月8日放映]
17.レコーディング・テクノロジーについて*
18.イントロダクション~人間の音楽性*
19.北の理念*
20.I was running scared*
21.ベートーヴェン(リスト編):交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」~第1楽章より
22.ワワの町について語るグールド
23.クレジット*
◆『CBCスペシャル:音楽の世界~よい聴き手』 [1970年2月18日放映]
24.イントロダクション*
25.インタヴュー*
26.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻~前奏曲とフーガ第14番嬰ヘ短調BWV.883
27.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻~前奏曲とフーガ第3番嬰ハ長調BWV.872
28.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻~前奏曲とフーガ第22番変ロ短調BWV.891
29.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻~前奏曲とフーガ第9番ホ長調BWV.878
◆『ミュジカメラ』のためのコマーシャル [1974年放映]
30.サー・ナイジェル・トゥイット=ソーンウェイトを演じるグールド
31.カールハインツ・クロップヴァイザー博士を演じるグールド
32.マイロン・キアンティを演じるグールド
33.オーディオ・サプライズ*
 グレン・グールド(P, Cemb[26,29], 指揮[4]) , CBC交響楽団
 ポール・シャーマン(指揮) CBC交響楽団[1]
 モーリン・フォレスター(A)[6]
 ジェフリー ・ウォディントン(指揮)CBC交響楽団[8]
 トーマス・メイヤー(指揮) オタワ交響楽団[9]
 レナード・ローズ(Vc)[15]

DVD 2 116分44秒
◆『ソヴィエト連邦の音楽』 [1962年1月14日放送]
1.グールドによるイントロダクション*
2.ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲ト短調Op.57より第1,2,5楽章
3.グールドによるイントロダクション*
4.プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調Op.83「戦争ソナタ」
5.クレジット*
◆『グレン・グールド・オン・バッハ』 [1962年4月8日放映]
6.イントロダクション*
7.バッハ:前奏曲とフーガ変ホ長調 BWV.552*
8.グールドによるイントロダクション*
9.バッハ:カンタータ第54番「いざ、罪に抗すべし」BWV.54
10.グールドによるイントロダクション*
11.バッハ:フーガの技法 BWV.1080~コントラプンクトゥス第4番
12.グールドによるイントロダクション*
13.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV.1050
 グレン・グールド(P[2][4], Org[7], ハープシピアノ[11], ハープシピアノ&指揮[9][13])
 シンフォニア四重奏団[2]
 ラッセル・オバーリン(C-T)[9]
 ジュリアス・ベーカー(Fl)、オスカー・シュムスキー(Vn)[13]

DVD 3 117分49秒
◆『リヒャルト・シュトラウス――個人的見解』 [1962年10月15日放映]
1.イントロダクション*
2.R・シュトラウス:ツェツィーリエ Op.27-2
3.グールドによるイントロダクション*
4.R・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ変ホ長調 Op.18~第1楽章
5.グールドによるイントロダクション*
6.R・シュトラウス:オフェーリアの3つの歌 Op.67*
7.グールドによるイントロダクション*
8.R・シュトラウス:「町人貴族」Op.60*
~I.序曲、IV.仕立て屋の入場と踊り、IX.宴会
9.グールドによるイントロダクション*
10.R・シュトラウス:4つの最後の歌~第3曲「眠りにつくとき」
11.クレジット*
◆『フーガの解剖』 [1963年3月4日放映]
12.グールドによるイントロダクション*
13.オルランド・ディ・ラッソ:二重唱「Who follow with me」*
14.ルカ・マレンツィオ:5声のためのマドリガル「春風戻り」*
15.グールドによるイントロダクション*
16.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻~フーガ第7番変ホ長調BWV876
17.グールドによるイントロダクション*
18.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻~フーガ第22番変ロ短調BWV891
18.グールドによるイントロダクション*
19. モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調 K.546*
20.グールドによるイントロダクション*
21.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110~第3楽章
22.グールドによるイントロダクション*
23.ヒンデミット:ピアノ・ソナタ第3番変ロ長調~第4楽章
24.グールドによるイントロダクション*
25.グレン・グールド:フーガを書いてごらんなさい
26.クレジット*
 グレン・グールド(P)[2][4][6][10][16][18][21][23]
 オスカー・シュムスキー(Vn[4], 指揮[8])
 エリザベス・ベンソン=ガイ(Sp) [13][14][25]
 リリアン・スミス・ウェイチェル(Sp) [13][14]
 パトリシア・ライダウト(Cont) [14][25]
 ゴードン・ライ(T) [14][25]
 エドガー・マードック(Bs) [14][25]
 ヴィクター・ディ・ベロ(指揮)[25]
 カナディアン弦楽四重奏団([19][25])

DVD 4 117分10秒
◆『4回の水曜日のためのコンサート』[1964年6月3日放映]
1.イントロダクション*
2.グールドによるイントロダクション*
3.スヴェーリンク:ファンタジア
4.バッハ:ゴルトベルク変奏曲ト長調BWV988より
アリア、第3変奏、第6変奏、第9変奏、第12変奏、第15変奏、第27変奏
5.グールドによるイントロダクション*
6.ウェーベルン:ピアノのための変奏曲Op.27
7.グールドによるイントロダクション
8.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
9.クレジット*
◆『デュオ――グレン・グールドとユーディ・メニューイン』[1966年5月18日放映]
※モンサンジョンの『コレクション』でもほぼ全体が再録されたが、省略箇所のない完全版となる(宮澤)
10.グールドとメニューイン*
11.バッハ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第4番ハ短調BWV1017
12.グールドとメニューイン、バッハとシェーンベルクを語る
13.シェーンベルク:幻想曲 Op.47
14.グールドとシェーンベルク、バッハを語る
15.ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調Op.96
16.クレジット*
 グレン・グールド(P)[3][4][6][8][11][13][15]
 ユーディ・メニューイン(Vn)[11][13][15]

DVD 5 96分40秒
◆『グレン・グールドとの対話』(全4回) [1966年放映]
※今回の企画で、最も意義深いリリース。BBCが制作。BBCのハンフリー・バートンと対話をしながら、バッハ、ベートーヴェン、シュトラウス、シェーンベルクを1回ずつの番組として語る。モンサンジョンの『コレクション』でも、ベートーヴェンの《32の変奏曲》と、いくつかの対話の部分の紹介はあったが、全体的には初リリースといってよい。なお、第1回のみ、CBCでの番組として『すべての人にそれぞれのバッハを』として、1967年3月29日に放映された。(宮澤)
◆『グレン・グールドとの対話』 第1回:バッハ [1966年3月15日放映]
1.イントロダクション*
2.ジョン・カルショウによるイントロダクション*
3.バッハ:ゴルトベルク変奏曲ト長調BWV988~第4変奏*
4.グレン・グールドとハンフリー・バートン、バッハについての対話*
5.ジョン・カルショウによるエンディング・コメント*
6.ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲ハ短調 WoO.80
7.クレジット*
◆『グレン・グールドとの対話』第2回:ベートーヴェン [1966年3月22日放映]
8.グレン・グールドとハンフリー・バートン、ベートーヴェンについての対話*
9.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109~第1楽章
20.クレジッ*ト
グレン・グールド(P)

DVD 6 80分43秒
◆『グレン・グールドとの対話』 第3回:アルノルト・シェーンベルク [1966年4月5日放映]
1.グレン・グールドとハンフリー・バートン、シェーンベルクについての対話*
2.シェーンベルク:ピアノ組曲Op.25~間奏曲
3.クレジット*
◆『グレン・グールドとの対話』 第4回:リヒャルト・シュトラウス [1966年4月19日放映]
4.グレン・グールドとハンフリー・バートン、R・シュトラウスについての対話*
5.R・シュトラウス:歌劇「エレクトラ」より
6.グールドとバートン、R.シュトラウスについての対話*
7.R・シュトラウス:4つの最後の歌~「眠りにつくとき」より*
8.クレジット*
 グレン・グールド(P)

DVD 7 86分16秒
◆『日曜午後の音楽:モーツァルトとベートーヴェン』 [1967年3月19日放映]
1.イントロダクション*
2.モーツァルト:ピアノ・ソナタ第13番変ロ長調K.333
3.グールド、ベートーヴェンを語る*
4.イントロダクション*
5.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番ニ短調Op.31-2「テンペスト」
6.クレジット*
◆『カナダ建国百年記念コンサート』 [1967年11月15日放映]
※グールドにとっての初カラー放送(宮澤)
7.イントロダクション*
8.バッハ:ピアノ協奏曲第7番ト短調BWV1058
9.イントロダクション*
10.R・シュトラウス:ブルレスケ ニ短調
 グレン・グールド(P)[2][5][8][10]
 ウラディミール・ゴルシュマン(指揮) トロント交響楽団[8][10]

DVD 8 115分33秒
◆テレビ版『北の理念』 [1970年8月5日放映]
※1967年12月28日に放送された“対位法的ラジオ・ドキュメンタリー”の映像版。マスケグ急行に乗り、カナダ北部の辺境の地へ向かった青年の物語に仕立てている。完全初出。今回の目玉のひとつ。(宮澤)
1.北の理念
◆『ベートーヴェン生誕200年記念コンサート』 [1970年12月9日放映]
※ミケランジェリの代役を務めたということでも有名なカレル・アンチェル指揮トロント交響楽団との共演番組。クラウンから番組がそっくりの形でLDが出たこともあった。『コレクション』でも演奏はすべて収録されている。(宮澤)
2.ベートーヴェン:バガテル 変ホ長調Op.126-3
3.イントロダクション*
4.ベートーヴェン:創作主題による6つの変奏曲ヘ長調Op.34
5.イントロダクション*
6.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73「皇帝」
7.クレジット
 グレン・グールド(P)[2][4][6]
 カレル・アンチェル(指揮) トロント交響楽団[6]

DVD 9 115分52秒
◆『われらの時代の音楽』第1回~第4回 [1974年~1977年放映]
※1970年代のグールドが取り組んだ未完のシリーズ番組。グールド以外の演奏も含まれており、番組として初出。
◆『われらの時代の音楽』第1回「エクスタシーの時代」 [1974年2月20日放映]
1.イントロダクション*
2.スクリャービン:前奏曲ホ長調Op.33-1
3.グールドによるイントロダクション*
4.スクリャービン:前奏曲ハ長調Op.33-3
5.スクリャービン:前奏曲変ホ長調Op.45-3
6.スクリャービン:前奏曲ヘ長調Op.49-2
7.グールドによるイントロダクション*
8.欲望Op.57-1
9.舞い踊る愛撫Op.57-2
10.グールドによるイントロダクション*
11.アルバムの綴りOp.58
12.グールドによるイントロダクション*
13.ドビュッシー:クラリネットとピアノのための第1狂詩曲
14.グールドによるイントロダクション*
15.シェーンベルク:8つの歌曲Op.6
~第1曲「夢の人生」、第4曲「見捨てられ」、第7曲「誘惑」、第8曲「さすらい人」
16.グールドによるイントロダクション*
17.ベルク:ピアノ・ソナタOp.1
◆『われらの時代の音楽』第2回「秩序からの飛翔」 [1975年2月5日放映]
18.イントロダクション*
19.プロコフィエフ:束の間の幻影Op.22~第2曲アンダンテ
20.グールドによるイントロダクション*
21.R・シュトラウス:オフェーリアの3つの歌Op.67-1~3
22.グールドによるイントロダクション*
23.シェーンベルク:月に憑かれたピエロOp.21より 第1曲~第7曲
24.グールドによるイントロダクション*
25.ストラヴィンスキー:兵士の物語より
「小さなコラール」「悪魔の歌」「大きなコラール」「悪魔の勝利の行進曲」
26.グールドによるイントロダクション
27.ラヴェル(グールド編):ラ・ヴァルス
グレン・グールド(P)[2][4]‐[6][8][9][11][13][15]‐[17][19][21][23][27]
 ジェームズ・キャンベル(Cl)[13][23]
 ヘレン・ヴァンニ(Ms)[15]
 ロクソラーナ・ロスラック(Sp)[21]
 パトリシア・ライダウト(語り)[23]
 ボリス・ブロット(指揮)[23][25]

DVD 10 117分03秒
◆『われらの時代の音楽』第3回「新しい顔ぶれ、古い形式」 [1975年11月26日放映]
1.イントロダクション
2.ウォルトン:「ファサード」第2組曲~
第18曲「スコットランド狂詩曲」、情景*、第20曲「フォックス・トロット」*
3.グールドによるイントロダクション*
4.ヒンデミット:歌曲集「マリアの生涯」Op.27~
第5曲「ヨゼフの疑い」、第6曲「羊飼いたちへのお告げ」、第11曲「マリアの嘆き」
5.グールドによるイントロダクション*
6.バルトーク:弦楽四重奏曲第4番Sz.91~第3&4楽章
7.グールドによるイントロダクション*
8.シェーンベルク:ピアノ組曲Op.25~間奏曲
9.グールドによるイントロダクション*
10.コープランド:ソプラノ、フルートとクラリネットのための「As It Fell Upon a Day」
11.グールドによるイントロダクション*
12.プーランク:オーバード(朝の歌)~第1,2,7,9,10曲
13.クレジット*
◆『われらの時代の音楽』第4回「技工としての芸術家」 [1977年12月14日放映]
14.アルフレード・カゼッラ:B-A-C-Hの名による2つのリチェルカーレ~第1曲「葬送」
15.グールドによるイントロダクション*
16.ヒンデミット:トランペット・ソナタ~第1&3楽章
17.グールドによるイントロダクション*
18.クルシェネク:年の瀬の歌 Op.71~第1曲「秋にさまよえる者の歌」
19.グールドによるイントロダクション*
20.ウェーベルン:9つの楽器のための協奏曲 Op.24
21.グールドによるイントロダクション*
22.プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調Op.83「戦争ソナタ」~第1楽章
23.クレジット
グレン・グールド(P)[4][8][12][14][16][18][20][22]、(語り[2])
 パトリシア・ライドアウト(語り[2], Cont[18])
 ボリス・ブロット(指揮[2][12][20])
 ロクソラーナ・ロスラック(Sp[4][10])
 オルフォード弦楽四重奏団[6]
 スザンヌ・シュールマン(Fl)[10]
 ジェームズ・キャンベル(Cl)[10]
 レイモンド・クリサラ(Tp)[16]

2011-09-19

フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ

バッハ:
ゴールドベルク変奏曲 BWV.988/
「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」BWV.622(ナウモフ編)/
「目覚めよ、と呼ぶ声あり」BWV.645(シュリメ編)

フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ(ピアノ)
録音:2001年5月22-28日,ワルシャワ・フィルハーモニック・コンサート・ホール

ACD 098(デジパック)
バッハ:ピアノ協奏曲全集
 第1番ニ短調BWV.1052/第2番ホ長調BWV.1053/
 第3番ニ長調BWV.1054/第5番ヘ短調BWV.1056/
 第4番イ長調BWV.1055/第7番ト短調BWV.1058/
 第6番ヘ長調(2つのフルートを伴う)BWV.1057

フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ(ピアノ,指揮)
ニュー・バッハ・プレイヤーズ

録音:2002年10月8日,アーゼナル・ホール,メス、ライヴ録音

ACD 127(デジパック2枚組)




何度かの来日で人気上昇中!
奇才フランチェスコ・シュリメのバッハ2タイトルが再プレスされました!

品番曲目演奏者

ACD 098(デジパック)
バッハ:
ゴールドベルク変奏曲 BWV.988/
「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」BWV.622(ナウモフ編)/
「目覚めよ、と呼ぶ声あり」BWV.645(シュリメ編)
フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ(ピアノ)
録音:2001年5月22-28日,ワルシャワ・フィルハーモニック・コンサート・ホール

ACD 127
(デジパック2枚組)
バッハ:ピアノ協奏曲全集
 第1番ニ短調BWV.1052/第2番ホ長調BWV.1053/
 第3番ニ長調BWV.1054/第5番ヘ短調BWV.1056/
 第4番イ長調BWV.1055/第7番ト短調BWV.1058/
 第6番ヘ長調(2つのフルートを伴う)BWV.1057
フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ(ピアノ,指揮)
ニュー・バッハ・プレイヤーズ

録音:2002年10月8日,アーゼナル・ホール,メス、ライヴ録音

フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ(Francesco Tristano Schlime)





グルダ、グールド、シュリメ――
 YouTubeで“Friedrich Gulda”と“Light My Fire”をキーワードに検索すると、フリードリヒ・グルダが超絶技巧のピアノで「ハートに火をつけて」を披露している映像を目にすることができる。「ハートに火をつけて」は、言うまでもなく、1967年に発表されたあのドアーズのヒット曲だ。

 フリードリヒ・グルダ(1930~2000)は、60年代後半の時点ですでにクラシックの世界では巨匠という評価を得ていた。しかし、70年前後を境に、彼はクラシックとジャズの演奏を両立させる道を選んだ。なぜかというと、グルダは自分が“20世紀”の後半――音楽史的に言うと、“ジャズとロックの時代”に生きていることを鋭く自覚していたからだろう。だからこそ彼は、時代の大きなうねりの中に進んで身を投じ、さまざまな批判を浴びながらも、独自の道を追求し続けたのだ。


Francesco Tristano Schlime
Francesco Tristano Schlime
 このような意味で、グルダをクラシックの世界では稀有な“20世紀のピアニスト”とするなら、フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ(Francesco Tristano Schlime)は、まさしく“21世紀のピアニスト”である。なぜならこのルクセンブルク出身のピアニストは、クラシックとテクノの演奏を両立させているのだから。無論、シュリメはグルダを尊敬している。が、シュリメは、グルダ以上にグレン・グルード(1932~82)に通じる資質と志向を併せ持った俊才だ。2人を結びつける最大のキーワードは、“バッハ”と“テクロジー”。“バッハ”について触れておくと、どちらもデビュー・アルバムは『ゴルドベルク変奏曲』である。

 グールドは録音テクロジーに強い関心を抱き続け、レコーディングの編集をひとつの創作行為と捉えていた。また、『ゴルドベルク変奏曲』(1955年録音)があれほど大きな衝撃を音楽界に与えたのは、ピアノで『ゴルドベルク』を録音するということ自体が“解釈”の域を超えた創作行為だったからである。こんなグールドが、もし“21世紀”に生きているピアニストだったら……。現に“21世紀”に生きているシュリメは、クラシック・ピアニストとして活動しつつ、ピアノとコンピュータでオリジナル作品を創作してきた。ソロ・アルバム『ノット・フォー・ピアノ』アウフガング(AUFGANG)同名デビュー・アルバムは、こうした側面が打ち出されたプロジェクト。アウフガングは、2台のピアノ+ドラムス with エレクトロニクスという編成のトリオである。


AUFGANG
AUFGANG

 すべての音楽は、どこかで繋がっている。また、音楽は時代とともに変化する。ただし、変わらない部分もあれば、変わる部分もある。シュリメは、意識的にジャンルを超えているわけではない。ただ“バッハ”と“テクノ”を、同一線上にある“音楽”として奏で ているだけだ。が、過去や同時代の音楽に対する深い関心、知識、洞察力、さらには音楽家としての技量や創造力を持ち合わせていなければ、こんなことはできない。

 去る2月21日に東京・Hakuju Hallで行なわれたリサイタルは、このようなシュリメの全体像をできるだけ伝えることに配慮されたプログラム(オリジナル曲、バッハハイドンストラヴィンスキー)だった。ところが、アンコールの2曲目に演奏された「Cubano」は、未発表のオリジナル曲。しかも、音楽的にもまったくの予想外だったが、終演後、シュリメ本人に確認したところ、案の定このラテン調の「Cubano」はキューバのピアニスト、故ルベーン・ゴンザレスへのオマージュとのこと。それにしても、まさかシュリメと『ブエナビスタ・ソシアル・クラブ』が繋がっているとは!
文/渡辺 亨

http://www.cdjournal.com/main/cdjpush/francesco-tristano/2000000534
■フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ オフィシャル・サイト
http://www.francescoschlime.com/
http://www.myspace.com/francescotristano


http://tsudahall.com/concertinfo/concert110630.htm
「いま最もラディカルな音楽家の真価が発揮される一夜」
一昨年の11月、フランチェスコ・トリスターノ・シュリメという名前で初めて彼が来日したときの衝撃は、今も忘れられない。
すらりとした痩身からバネのように繰り出される柔らかいリズム、古典的な楽曲における引き締まった構成感は、彼が本物のピアニストであることを証明してあまりあるものだった。 だが、とりわけ素晴らしかったのは、自作の楽曲で披露した、ピアノの蓋の中の弦をはじいたり、叩いたりする特殊奏法から繰り出される、音の粒の数々だった。
彼ほど、美しい「ノイズ」を即興的に作り出す人はいない。鍵盤以外の場所をパーカッシヴに使って演奏することは、現代音楽においてはさほど珍しいことではないが、こんなにもめくるめく体験(まるでピアノが呼吸する黒い生き物であるかのように感じられた…)へと誘われたのは初めてのことだった。彼はこう語っている。
「ピアノとは僕にとってオーケストラのようなものです。限りなくピアノらしく演奏することもできれば、パーカッションのように扱うこともできるし、弦のようにもできるし、シンセサイザーに負けないくらい豊かな音色が可能です。僕はリズムを大切にする人間なので、音そのものを常に模索しているのですが、その中で、ピアノの鍵盤上だけではなく、ピアノの中にも、音があるということを自分で発見し、実験を繰り返してあのような演奏法をするようになったのです」。 今回の津田ホールでのコンサートは、フランチェスコ・トリスターノが幼い頃から愛してきたバッハと、尊敬するケージの作品が中心となる。
いま最もラディカルなピアニスト兼作曲家であり、テクノミュージックでも活躍する鬼才、フランチェスコ・トリスターノの真価が発揮される一夜となることは間違いない。
林田直樹(音楽ジャーナリスト)

■フランチェスコ・トリスターノ  Francesco Tristano1981年ルクセンブルク生まれ。地元ルクセンブルクや王立ブリュッセル音楽院、パリ市立音楽院などで研鑽を積んだ後、1998年ジュリアード音楽院に入学し、修士の学位を得る。2000年、19歳でミハエル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団とアメリカデビュー。以来、著名指揮者やオーケストラ、アンサンブルと共演。2001年には自らソリスト、指揮者として活動する室内オーケストラ、新バッハ・プレイヤーズを創設。現代音楽様式にも触発され、ソロピアノ、ジャズアンサンブルのための作品も作曲、ジャズやテクノのジャンルでも活発な演奏活動を行う。
2004年のオルレアン20世紀音楽国際ピアノコンクールで優勝、ヨーロッパコンサート協会の「ライジングスター」ネットワーク・アーティストに選出され、欧米を中心に精力的に活躍。2010年のラ・ロック・ダンテロン国際ピアノフェスティヴァルでは、日本のコンテンポラリーダンス界を代表する勅使河原三郎と、J.S.バッハのパルティータ第6番で共演した。
日本での本格的デビューとなった2010年2月の公演は大成功を収め(フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ名義)、早くも2011年の日本ツアーが実現。これまでにJ.S.バッハなどクラシックCDをリリースするほか、ソロや2台ピアノとドラムによるユニット「アウフガング」によるエレクトロニクスを融合させたアルバムも発表。今年3月にはユニバーサル・クラシック&ジャズ(ドイツ)と専属契約を結び、2011年3月にドイツ・グラモフォンから今回の演奏プログラムによるCD「bachCage」をリリース、5月25日には日本盤も発売予定となっている。
【CD】バッハ「ゴルドベルク変奏曲」(2001年 ACCORD)
        バッハ「鍵盤協奏曲全集」(2004年 ACCORD)
        ルチアーノ・ベリオ「全ピアノ作品集」(2005年 SISYPHE)
        ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第5番」(2006年 Pentatone)
        フレスコバルディ「12のトッカータ(第1集)」(2007年 SISYPHE)

photo :Aymeric Giraudel

2011-08-21

Khatia Buniatishvili

http://www.camimusic.com/details.asp?webid=2161
http://www.facebook.com/pages/Khatia-Buniatishvili/131508420235355


Khatia Buniatishvili

“Khatia is a young pianist of extraordinary talent. I was impressed by her exceptional pianistic gift, natural musicality, imagination and her brilliant virtuosity,” said Martha Argerich.

Prize winner of the 2008 Arthur Rubinstein International Piano Master Competition, Khatia was distinguished as a BBC New Generation Artist in 2009 and invited to collaborate with the BBC orchestras throughout the 2009-10 and 2010-11 seasons. This year alone she received the prestigious London Borletti-Buitoni Trust Award and signed an exclusive world-wide recording contract with Sony. Her first album, slated for world-wide release in May of this year, is devoted to Liszt. Bogdan Roscic, President of Sony Classical, said: "Khatia's breathtaking virtuosity strikes me as being always at the service of musical expression, used with the greatest natural authority. It gives her mesmerizing stage presence the depth and sense of purpose which have transfixed international concert audiences."

Khatia has appeared with many of the world’s best orchestras including the Philadelphia Orchestra, the Israel Philharmonic, the St. Petersburg Philharmonic, and the NDR Hamburg Symphony Orchestra. She is proud of her ongoing collaboration with Paavo Järvi and will perform under his direction with the Munich Philharmonic and the Orchestre de Paris in the current season. Khatia has delivered critically acclaimed solo recitals and chamber music concerts in the most prestigious venues including Musikverein, Concertgebouw, and Wigmore Hall. The Financial Times of London described her Liszt as “magisterial” and her Schumann as “poetic and profound”. She was a featured soloist at a number of high-profile festivals including Verbier, Progetto Martha Argerich, and Gidon Kremer's Internationales Kammermusikfest Lockenhaus. Khatia enjoys a long-standing artistic friendship with Maestro Kremer; in 2009 she toured with him and the Kremerata Baltica in Vienna (Musikverein), Milan (La Scala), Rome, and Istanbul.

Recognizing Khatia’s extraordinary gift, Vienna’s Musikverein has nominated her for the European “Rising Star” award, which brought further performance invitations and re-engagements from the leading presenters.
Select concert dates in the upcoming season will include: 

May 4 – Barcelona – recital (Palau de la Musica)
May 20, 21 – Tel Aviv – Israel Philharmonic (Maestro Nagano)
July 18, 25, 25 – Verbier – Verbier Festival Orchestra (Maestro Dutoit); chamber music with Gidon Kremer
August 23 – Warsaw – recital 
September 14, 15 – Paris – Orchestre de Paris (Maestro Paavo Järvi)
September 29 – London – recital (St. Luke’s) 
October 1-5 – Frankfurt, Linz, Bregenz – Frankfurt HR-Symphony Tour (Maestro Paavo Järvi)
November 22 – Zurich – Zurich Chamber Orchestra at Tonhalle (Maestro Sitkovetsky)
December 6 – London – recital (Wigmore Hall)
December 12 – Vienna – recital (Musikverein)

Khatia Buniatishvili [boo-niah-tee-SHVEE-lee] was born in the Republic of Georgia in 1987. Her special talent was recognized by her mother, a committed music enthusiast, who introduced her to the piano. After completing her studies at the Tbilisi Conservatory, Khatia transferred to the Vienna Academy for Music and Performing Arts, where she worked with Oleg Meisenberg.




気になる演奏家 その19 ~ カティア・ブニアティシヴィリ(P)

 ・カティア・ブニアティシヴィリ(P)

来年の話をすると鬼に笑われそうですが、来年4月におこなわれる2つの演奏会のチケットを入手しました。一つは、ギドン・クレーメル・トリオの演奏会。彼が最近結成した若い女性二人とのピアノ・トリオの初お目見えで、以前、アルゲリッチとマイスキーとの「夢のトリオ」で聴かせてもらったチャイコフスキーのピアノ三重奏曲「ある偉大な芸術家の想い出」がメインです。

そしてもう一つは、そのクレーメル・トリオでピアノを担当する若手女流ピアニスト、カティア・ブニアティシヴィリのリサイタル。

ブニティアシヴィリは1987年グルジアのトビリシ生まれ。まだ今年23歳の若手ですが、2003年ホロヴィッツ国際ピアノ・コンクール優勝、2008年アルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールで第3位という経歴を持ち、現在はウィーンでマイセンベルクに師事しているとのこと。クレーメルのお眼鏡にかなってロッケンハウスなどで度々共演している他、彼女はアルゲリッチの一押しピアニストなのだそうで、最近出た2009年のルガーノでの音楽祭のライヴでも、ルノー・カプソンとのデュオを担当しています。
音楽祭のライヴでも、ルノー・カプソンとのデュオを担当しています。

ライヴ・フロム・ザ・ルガノ・フェスティヴァル2009
 マルタ・アルゲリッチ&フレンズ(EMI)

 
さらに、調べてみると、今年のラ・フォル・ジュルネで来日してショパンを演奏し、大変高い評価を受けています。まったくノーマークで知りませんでした。

 私がその彼女のコンサートを聴きに行こうと決心したのは、正直告白するとまず彼女の写真を見てその美貌に惹かれたからです。


 しかし、それだけではなくて、ネットで検索して見つけた動画で見た彼女の演奏にとても惹かれたからです。前述のルービンシュタイン国際コンクールで演奏したリストやシューマンなどですが、何しろ音質が良くないので細かいところまでは聴き取れないとは言え、彼女のピアノの音色、特に弱音の美しさに耳を奪われました。これは絶対ナマで聴いてみたいと思いました。

 そして、よくよく思い返してみれば、まだ買ってから一度も聴いていなかった2008年のロッケンハウスのライヴ録音CD、このブニアティシヴィリが参加していることを思い出し、早速聴いてみることにしました。演奏されているのは、ティックマイエルの「アンドレイ・タルコフスキーによる8つの賛美歌」と、フランクのピアノ五重奏曲。




賛美歌と祈祷
 クレーメル&クレメラータ・バルティカ、ブニアティシヴィリ (ECM)


 やはりこのブニアティシヴィリのピアノの音、美しい。ため息が出るくらいに美しい。どんなに繊細な弱音になっても、響きが痩せることは決してなく、潤いと豊かな質感が感じられるのです。だから、曲の成立にエロティックな背景にあるフランクは、もう悩ましいくらいにセクシー。楽器を替えてから、柔らかくまろやかな響きを聴かせてくれるようになったクレーメルのヴァイオリンとが、何とも妖しいくらいに濃密に絡み合うさまはぞくぞくします。しかも、フォルティッシモでの激しい打鍵による情熱的な表現も、彼女を高く氷解しているアルゲリッチを思わせるような魔術的な趣さえあって素晴らしい。

 となると、もうこれは彼女のリサイタルは絶対に聴きに行かねばきっと後悔すると思い、チケットを入手したという訳です。曲目は、彼女が得意とするリストのピアノ・ソナタとメフィスト・ワルツ、ショパンの「葬送」ソナタ、そしてプロコのソナタ第7番「戦争」という重量級プロ。ああ、早く聴きたいし、彼女を見てみたいです!


2011-08-20

Glenn Gould : The Young Maverick / le jeune original


The Young Maverick グレン・グールド メジャー・デビュー前後のカナダ国営放送局録音集に見るその多様性

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若きグールドの録音集:The Young Maverick(6枚組)商品写真本日は、若きグールドの録音集:the young maverick/le jeune original(6枚組)のご紹介です。元々、1枚ごとに単売されていて、幾つか既に持っていたので、すこし躊躇して居りましたが、先日漸く手に入れました。リンク先のアマゾン頁をご覧の通り、6枚組ながらマーケットプレイスで大変安価。内容も勿論グールドらしい楽しみ溢れ、おすすめです。グールド入門に最良の選択かも!と思うほどです。

グレン・グールドおすすめCD 若き日のCBC録音集:The Young Maverick(6枚組)

これは1955年のコロンビアからのメジャー・デビュー第一弾《ゴルトベルク変奏曲》の前後―主にはその1、2年前―のカナダ国営放送局(Canadian Broadcasting Corporation)放送音源を集めたもの。
バッハ2枚、ベートーヴェン3枚、新ウィーン楽派1枚の6枚組の構成で、独奏曲、室内楽、協奏曲と様々。以前、単売品のCDで出ていたときは、音が曇った感じがありましたが、今回随分すっきりし、この当時の録音としては問題ないレベル。
若き日のといっても、50年代半ばですから、最初期の正規録音と変わらず、腕の冴えは見事。グールドのものなら何でも聞いてみたい!という方にも、気軽に聞けて十二分に楽しめる内容です。
もう少し、細かくかつ端的に長所を書いてみますと・・・

正規盤では出ていないグールドの録音!。

特にベートーヴェン。グールド自身「秋のソナタ」という雰囲気が大変好きな曲と言っていたピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101。いまの季節にもぴったりの名曲で、切ない第一楽章など見事。名チェリストのザラ・ネルソヴァ、ブダペスト弦楽四重奏団の第二ヴァイオリンのアレクサンダー・シュナイダーと組んだ、ピアノ・トリオも三者息がぴったりで、室内楽らしい、すばらしい演奏!グールドのピアノは伝統的で、細かい味付けなどほんとにうまい。ニ長調 Op.70-1《幽霊》など、この6枚組録音集でも大好きなものの一つで、「これだけでも聴いてください!」と思ってしまいます。

正規盤とはまた違ったアイディアが楽しめます!バッハ:ゴルトベルク変奏曲

バドゥラ=スコダ著『バッハ 演奏法と解釈 ピアニストのためのバッハ』の商品写真バドゥラ=スコダが、その著『バッハ 演奏法と解釈』の中で、グールドはバッハの正統的解釈を提示したのではなく、歴史的解釈からは疑問があることも敢行し、バッハの楽譜からさまざまな楽しさをさまざまな形で引き出したのだ・・・という立場を取っています。その例証は、この浩瀚な書籍全体に亘る論説となっていて、きちんと理解するには結局、諸々の楽譜を仔細に検討しないといけない。。。これは私のように聴くのが主なファンには、大変な作業です。しかし、このグレン・グールド The Youg Maverick のバッハの録音を正規盤と聴き比べてみると、門外漢であっても、なんとなくバドゥラ=スコダの言う、グールドの多様性に想像がつくのではないでしょうか?
簡単な例で示すと、全曲収録された《ゴルトベルク変奏曲》。1954年のモノラル録音です。正規盤の二枚 1955年モノラル録音(この録音の輸入盤)の38分、1981年デジタル録音(この録音の輸入盤)の51分の中間で42分。勿論、こういった全体の時間はかなり大まかな指摘にすぎず、変奏ごとの時間だけ見ても、繰り返しの有無等々で簡単な話ではないのは、ご注意を。
いずれにせよ、この1954年のゆったりしたアリアの出だしを聴くと、「初期は早く、晩年はcomfortに遅く」というグールド自身も規定した大きな図式も、あまり単純にそのままに受け取ると、目を曇らせるかな・・・と思わせます。
グールド独奏 バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年モノラル録音) の商品写真1955年録音は快速なテンポと快活な表現が際立ち、1981年録音と比べると大きな違いが目立ちますが、それぞれ、この1954年録音とじっくり聴き比べると、「この第何曲を目立たせようとしたのか、、この第何曲とその次の対比をもっと浮き彫りにしようとしているのか、、、」等々、ちょっと聴いてみただけでも様々に発見できました。
グールド独奏 バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音) の商品写真もう一つの判りやすい例は、バッハの《インヴェンションとシンフォニア》の《シンフォニア》の全曲録音。これはインヴェンションとシンフォニアを交互に並べたおよそ10年後の正規盤と異なり、ハ長調/ハ短調という具合に調整ごとに再配置。
勿論、いままで出ていた録音でも、ロシアへのコンサート・ツアーのライブ音源などで、こういったグールドの多様性は示されていますが、本日ご紹介している若きグールドの録音集:the young maverick/le jeune original(6枚組)は入手しやすさ、安価な価格から言って、おすすめしやすいものでしょう。

曲目詳細 グレン・グールド CBC録音集:The Young Maverick(6枚組)

では、録音内容の詳細を以下に。
若きグールドの録音集:the young maverick/le jeune original(6枚組)の収録曲詳細。バッハの録音: Disk1Disk2 / ベートーヴェンの録音 Disk3Disk4Disk5 / 新ウィーン楽派の録音Disk6
Disk 1 (先頭に戻る)
  • J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲全曲 BWV988 (録音:1954年6月21日)
  • J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第二集から抜粋 前奏曲とフーガ No.14 BWV883, No.7 876 & No.22 891 (録音:1954年2月28日)
  • J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第二集から抜粋 前奏曲とフーガ No.9 BWV878 (録音:1952年10月21日)
Disk 2 (先頭に戻る)
  • J.S.バッハ:パルティータ第5番 ト長調 BWV829 (録音:1954年10月4日)
  • J.S.バッハ:《インヴェンションとシンフォニア》の《シンフォニア》のみ全曲 BWV787-801(録音:1955年3月15日)
  • J.S.バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 (録音:1952年10月21日)
  • J.S.バッハ:協奏曲第1番 二短調 BWV1052 (E.マクミラン指揮/トロント交響楽団 録音:1952年10月21日)
Disk 3 (先頭に戻る)
  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15 (E.マクミラン指揮/トロント交響楽団 録音時期不明)
  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19 (E.マクミラン指揮/トロント交響楽団 録音時期不明)
  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19の第三楽章のみ (E.シャーマン指揮/Startime Orchestra 録音時期不明)
Disk 4 (先頭に戻る)
  • ベートーヴェン:バガテル Op.126 (放送:1952年9月28日)
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101 (放送:1952年10月12日)
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番 嬰ホ長調 Op.7の第二楽章のみ (放送:1952年10月12日)
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第19番 ト短調 Op.49-1 (放送:1952年10月12日)
  • ベートーヴェン:アレグレット 変ロ長調 WoO39 (ザラ・ネルソヴァ Vc,アレクサンダー・シュナイダー Vn 放送:1954年7月18日)
  • ベートーヴェン:ピアノ・トリオ ニ長調 Op.70-1《幽霊》(ザラ・ネルソヴァ Vc,アレクサンダー・シュナイダー Vn 放送:1954年7月18日)
Disk 5 (先頭に戻る)
  • ベートーヴェン:創作主題による6つの変奏曲 Op.34 (録音:1952年9月28日)
  • ベートーヴェン:エロイカの主題による15の変奏曲とフーガ Op.35 (録音:1952年10月5日)
  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37 (H.アンガー指揮/CBC交響楽団 録音:1955年2月21日)
Disk 6 (先頭に戻る)
  • シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42 (J-M.ボデ指揮/CBC放送交響楽団 録音時期不明)
  • シェーンベルク:三つのピアノ小品 Op.11 (録音時期不明)
  • シェーンベルク:ピアノのための組曲 Op.25 (録音時期不明)
  • アルバン・ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1 (録音時期不明)
  • ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 Op.27 (録音時期不明)