2011-04-03

ハイドン ( Franz Joseph Haydn )

CD 鍵盤楽器のための小品全集 バルト・ファン・オールト(5CD)

 
モーツァルトの鍵盤楽器のための作品全集(14枚組)が評判となったオランダのフォルテピアニスト、バルト・ファン・オールトによるハイドンのピアノ小品全集。小品集といっても、大曲『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』や、交響曲の楽章の編曲といったものも含まれており、内容は実に多彩です。
 2000年に、ホーフランド、小島芳子、福田理子、デュチュラーら5人と録音したピアノ・ソナタ全集ではCD2枚分10曲を受け持っていましたが、今回は一人で残りの小品全部をレコーディング。
 楽器は、モーツァルト全集でも大活躍していたアントン・ヴァルター1795年モデルを使用しており、モーツァルトのときと同様、抑揚大きく表情豊かな演奏により、フォルテピアノ演奏にありがちな脆弱さや朴訥な印象を回避し、ハイドン本来のエネルギーをよくあらわしていると思います。
 オールトは、アムステルダム王立音楽院でピアノを修了したのち、同音楽院で有名なスタンレイ・ホーフランドにフォルテピアノ奏法を師事、1986年にベルギーの「モーツァルト・フォルテピアノ・コンクール」に優勝して名声を得ますが、その後、名門コーネル大学で、マルコム・ビルソンのもと歴史的演奏実践における研究をこない、1993年に博士号を取得、高度な技術と豊かな学識の両面を備えたフォルテピアノ奏者&音楽学者として世界中で活躍することとなります。
 レコーディングには、ブリリアント・レーベルから発売されている、モーツァルトの鍵盤楽器のための作品全集(14枚組)が代表作として知られるほか、フィールド、ショパンほかの作品を時代楽器で再現した「ノクターンの世界」が隠れた人気作として注目を集めており、さらに、彼が所属するファン・スヴィーテン・トリオのハイドン・ピアノ・トリオ全集や、ホーフランド、デュチュラー、小島芳子、福田理子らと分業で完成したハイドン:ピアノ・ソナタ全集、寺神戸亮、鈴木秀美と共演したベートーヴェン&フンメルのピアノ・トリオ集、テル・リンデン、フェルハーヘン、ルーロフスと共演したモーツァルトのピアノ四重奏曲集などがあります。
CD1
・12の変奏曲Hob.XVII-3
・アンダンテと変奏曲Hob.XVII-6
・20の変奏曲イ長調Hob.XVII-2
・4つの変奏曲Hob.XVII:Anhang
・5つの変奏曲Hob.XVII-7
・6つの変奏曲Hob.XVII-5

CD2
・12のメヌエットHob.IX-8
・12のメヌエットHob.IX-3
・12のメヌエットHob.IX-11
・行進曲Hob.VIII-2
・王立音楽家協会のための行進曲Hob.VIII-3bis
・12のドイツ舞曲Hob.IX-12
・コントルダンスHob XXXIc/17b

CD3
・幻想曲Hob.XVII-4
・アダージョHob.XVII-9
・カプリッチョ『8人のへぼ仕立屋』Hob.XVII-1
・ピアノ・ソナタ ニ長調Hob.XVII-D1
・ピアノ・ソナタ ヘ長調Hob.XVII/a:1(4手のための:withシルヴィア・ベリー)
・メヌエットとアリアHob.IX-20

CD4
・音楽時計のための作品より
・交響曲第81番第2楽章 Andante
・交響曲第79番第2楽章 Adagio
・交響曲第85番第3楽章 Menuetto
・交響曲第85番第2楽章 Rondo. Andante allegretto
・交響曲第53番第2楽章 Andante
・交響曲第93番第2楽章 Adagio
・交響曲第97番第3楽章 Menuet
・交響曲第94番『驚愕』第2楽章 Andante
・歌劇『変わらぬ誠』からの編曲集
・弦楽四重奏からの編曲集
・ピアノ三重奏曲からの編曲集

CD5
・十字架上のキリストの最後の7つの言葉(ピアノ版)

バルト・ファン・オールト(フォルテピアノ)
アントン・ヴァルター1795年モデル(クリス・メーネ2000年製作)
録音:2007年(デジタル)