2011-08-21

Khatia Buniatishvili

http://www.camimusic.com/details.asp?webid=2161
http://www.facebook.com/pages/Khatia-Buniatishvili/131508420235355


Khatia Buniatishvili

“Khatia is a young pianist of extraordinary talent. I was impressed by her exceptional pianistic gift, natural musicality, imagination and her brilliant virtuosity,” said Martha Argerich.

Prize winner of the 2008 Arthur Rubinstein International Piano Master Competition, Khatia was distinguished as a BBC New Generation Artist in 2009 and invited to collaborate with the BBC orchestras throughout the 2009-10 and 2010-11 seasons. This year alone she received the prestigious London Borletti-Buitoni Trust Award and signed an exclusive world-wide recording contract with Sony. Her first album, slated for world-wide release in May of this year, is devoted to Liszt. Bogdan Roscic, President of Sony Classical, said: "Khatia's breathtaking virtuosity strikes me as being always at the service of musical expression, used with the greatest natural authority. It gives her mesmerizing stage presence the depth and sense of purpose which have transfixed international concert audiences."

Khatia has appeared with many of the world’s best orchestras including the Philadelphia Orchestra, the Israel Philharmonic, the St. Petersburg Philharmonic, and the NDR Hamburg Symphony Orchestra. She is proud of her ongoing collaboration with Paavo Järvi and will perform under his direction with the Munich Philharmonic and the Orchestre de Paris in the current season. Khatia has delivered critically acclaimed solo recitals and chamber music concerts in the most prestigious venues including Musikverein, Concertgebouw, and Wigmore Hall. The Financial Times of London described her Liszt as “magisterial” and her Schumann as “poetic and profound”. She was a featured soloist at a number of high-profile festivals including Verbier, Progetto Martha Argerich, and Gidon Kremer's Internationales Kammermusikfest Lockenhaus. Khatia enjoys a long-standing artistic friendship with Maestro Kremer; in 2009 she toured with him and the Kremerata Baltica in Vienna (Musikverein), Milan (La Scala), Rome, and Istanbul.

Recognizing Khatia’s extraordinary gift, Vienna’s Musikverein has nominated her for the European “Rising Star” award, which brought further performance invitations and re-engagements from the leading presenters.
Select concert dates in the upcoming season will include: 

May 4 – Barcelona – recital (Palau de la Musica)
May 20, 21 – Tel Aviv – Israel Philharmonic (Maestro Nagano)
July 18, 25, 25 – Verbier – Verbier Festival Orchestra (Maestro Dutoit); chamber music with Gidon Kremer
August 23 – Warsaw – recital 
September 14, 15 – Paris – Orchestre de Paris (Maestro Paavo Järvi)
September 29 – London – recital (St. Luke’s) 
October 1-5 – Frankfurt, Linz, Bregenz – Frankfurt HR-Symphony Tour (Maestro Paavo Järvi)
November 22 – Zurich – Zurich Chamber Orchestra at Tonhalle (Maestro Sitkovetsky)
December 6 – London – recital (Wigmore Hall)
December 12 – Vienna – recital (Musikverein)

Khatia Buniatishvili [boo-niah-tee-SHVEE-lee] was born in the Republic of Georgia in 1987. Her special talent was recognized by her mother, a committed music enthusiast, who introduced her to the piano. After completing her studies at the Tbilisi Conservatory, Khatia transferred to the Vienna Academy for Music and Performing Arts, where she worked with Oleg Meisenberg.




気になる演奏家 その19 ~ カティア・ブニアティシヴィリ(P)

 ・カティア・ブニアティシヴィリ(P)

来年の話をすると鬼に笑われそうですが、来年4月におこなわれる2つの演奏会のチケットを入手しました。一つは、ギドン・クレーメル・トリオの演奏会。彼が最近結成した若い女性二人とのピアノ・トリオの初お目見えで、以前、アルゲリッチとマイスキーとの「夢のトリオ」で聴かせてもらったチャイコフスキーのピアノ三重奏曲「ある偉大な芸術家の想い出」がメインです。

そしてもう一つは、そのクレーメル・トリオでピアノを担当する若手女流ピアニスト、カティア・ブニアティシヴィリのリサイタル。

ブニティアシヴィリは1987年グルジアのトビリシ生まれ。まだ今年23歳の若手ですが、2003年ホロヴィッツ国際ピアノ・コンクール優勝、2008年アルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールで第3位という経歴を持ち、現在はウィーンでマイセンベルクに師事しているとのこと。クレーメルのお眼鏡にかなってロッケンハウスなどで度々共演している他、彼女はアルゲリッチの一押しピアニストなのだそうで、最近出た2009年のルガーノでの音楽祭のライヴでも、ルノー・カプソンとのデュオを担当しています。
音楽祭のライヴでも、ルノー・カプソンとのデュオを担当しています。

ライヴ・フロム・ザ・ルガノ・フェスティヴァル2009
 マルタ・アルゲリッチ&フレンズ(EMI)

 
さらに、調べてみると、今年のラ・フォル・ジュルネで来日してショパンを演奏し、大変高い評価を受けています。まったくノーマークで知りませんでした。

 私がその彼女のコンサートを聴きに行こうと決心したのは、正直告白するとまず彼女の写真を見てその美貌に惹かれたからです。


 しかし、それだけではなくて、ネットで検索して見つけた動画で見た彼女の演奏にとても惹かれたからです。前述のルービンシュタイン国際コンクールで演奏したリストやシューマンなどですが、何しろ音質が良くないので細かいところまでは聴き取れないとは言え、彼女のピアノの音色、特に弱音の美しさに耳を奪われました。これは絶対ナマで聴いてみたいと思いました。

 そして、よくよく思い返してみれば、まだ買ってから一度も聴いていなかった2008年のロッケンハウスのライヴ録音CD、このブニアティシヴィリが参加していることを思い出し、早速聴いてみることにしました。演奏されているのは、ティックマイエルの「アンドレイ・タルコフスキーによる8つの賛美歌」と、フランクのピアノ五重奏曲。




賛美歌と祈祷
 クレーメル&クレメラータ・バルティカ、ブニアティシヴィリ (ECM)


 やはりこのブニアティシヴィリのピアノの音、美しい。ため息が出るくらいに美しい。どんなに繊細な弱音になっても、響きが痩せることは決してなく、潤いと豊かな質感が感じられるのです。だから、曲の成立にエロティックな背景にあるフランクは、もう悩ましいくらいにセクシー。楽器を替えてから、柔らかくまろやかな響きを聴かせてくれるようになったクレーメルのヴァイオリンとが、何とも妖しいくらいに濃密に絡み合うさまはぞくぞくします。しかも、フォルティッシモでの激しい打鍵による情熱的な表現も、彼女を高く氷解しているアルゲリッチを思わせるような魔術的な趣さえあって素晴らしい。

 となると、もうこれは彼女のリサイタルは絶対に聴きに行かねばきっと後悔すると思い、チケットを入手したという訳です。曲目は、彼女が得意とするリストのピアノ・ソナタとメフィスト・ワルツ、ショパンの「葬送」ソナタ、そしてプロコのソナタ第7番「戦争」という重量級プロ。ああ、早く聴きたいし、彼女を見てみたいです!


2011-08-20

Glenn Gould : The Young Maverick / le jeune original


The Young Maverick グレン・グールド メジャー・デビュー前後のカナダ国営放送局録音集に見るその多様性

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若きグールドの録音集:The Young Maverick(6枚組)商品写真本日は、若きグールドの録音集:the young maverick/le jeune original(6枚組)のご紹介です。元々、1枚ごとに単売されていて、幾つか既に持っていたので、すこし躊躇して居りましたが、先日漸く手に入れました。リンク先のアマゾン頁をご覧の通り、6枚組ながらマーケットプレイスで大変安価。内容も勿論グールドらしい楽しみ溢れ、おすすめです。グールド入門に最良の選択かも!と思うほどです。

グレン・グールドおすすめCD 若き日のCBC録音集:The Young Maverick(6枚組)

これは1955年のコロンビアからのメジャー・デビュー第一弾《ゴルトベルク変奏曲》の前後―主にはその1、2年前―のカナダ国営放送局(Canadian Broadcasting Corporation)放送音源を集めたもの。
バッハ2枚、ベートーヴェン3枚、新ウィーン楽派1枚の6枚組の構成で、独奏曲、室内楽、協奏曲と様々。以前、単売品のCDで出ていたときは、音が曇った感じがありましたが、今回随分すっきりし、この当時の録音としては問題ないレベル。
若き日のといっても、50年代半ばですから、最初期の正規録音と変わらず、腕の冴えは見事。グールドのものなら何でも聞いてみたい!という方にも、気軽に聞けて十二分に楽しめる内容です。
もう少し、細かくかつ端的に長所を書いてみますと・・・

正規盤では出ていないグールドの録音!。

特にベートーヴェン。グールド自身「秋のソナタ」という雰囲気が大変好きな曲と言っていたピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101。いまの季節にもぴったりの名曲で、切ない第一楽章など見事。名チェリストのザラ・ネルソヴァ、ブダペスト弦楽四重奏団の第二ヴァイオリンのアレクサンダー・シュナイダーと組んだ、ピアノ・トリオも三者息がぴったりで、室内楽らしい、すばらしい演奏!グールドのピアノは伝統的で、細かい味付けなどほんとにうまい。ニ長調 Op.70-1《幽霊》など、この6枚組録音集でも大好きなものの一つで、「これだけでも聴いてください!」と思ってしまいます。

正規盤とはまた違ったアイディアが楽しめます!バッハ:ゴルトベルク変奏曲

バドゥラ=スコダ著『バッハ 演奏法と解釈 ピアニストのためのバッハ』の商品写真バドゥラ=スコダが、その著『バッハ 演奏法と解釈』の中で、グールドはバッハの正統的解釈を提示したのではなく、歴史的解釈からは疑問があることも敢行し、バッハの楽譜からさまざまな楽しさをさまざまな形で引き出したのだ・・・という立場を取っています。その例証は、この浩瀚な書籍全体に亘る論説となっていて、きちんと理解するには結局、諸々の楽譜を仔細に検討しないといけない。。。これは私のように聴くのが主なファンには、大変な作業です。しかし、このグレン・グールド The Youg Maverick のバッハの録音を正規盤と聴き比べてみると、門外漢であっても、なんとなくバドゥラ=スコダの言う、グールドの多様性に想像がつくのではないでしょうか?
簡単な例で示すと、全曲収録された《ゴルトベルク変奏曲》。1954年のモノラル録音です。正規盤の二枚 1955年モノラル録音(この録音の輸入盤)の38分、1981年デジタル録音(この録音の輸入盤)の51分の中間で42分。勿論、こういった全体の時間はかなり大まかな指摘にすぎず、変奏ごとの時間だけ見ても、繰り返しの有無等々で簡単な話ではないのは、ご注意を。
いずれにせよ、この1954年のゆったりしたアリアの出だしを聴くと、「初期は早く、晩年はcomfortに遅く」というグールド自身も規定した大きな図式も、あまり単純にそのままに受け取ると、目を曇らせるかな・・・と思わせます。
グールド独奏 バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年モノラル録音) の商品写真1955年録音は快速なテンポと快活な表現が際立ち、1981年録音と比べると大きな違いが目立ちますが、それぞれ、この1954年録音とじっくり聴き比べると、「この第何曲を目立たせようとしたのか、、この第何曲とその次の対比をもっと浮き彫りにしようとしているのか、、、」等々、ちょっと聴いてみただけでも様々に発見できました。
グールド独奏 バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音) の商品写真もう一つの判りやすい例は、バッハの《インヴェンションとシンフォニア》の《シンフォニア》の全曲録音。これはインヴェンションとシンフォニアを交互に並べたおよそ10年後の正規盤と異なり、ハ長調/ハ短調という具合に調整ごとに再配置。
勿論、いままで出ていた録音でも、ロシアへのコンサート・ツアーのライブ音源などで、こういったグールドの多様性は示されていますが、本日ご紹介している若きグールドの録音集:the young maverick/le jeune original(6枚組)は入手しやすさ、安価な価格から言って、おすすめしやすいものでしょう。

曲目詳細 グレン・グールド CBC録音集:The Young Maverick(6枚組)

では、録音内容の詳細を以下に。
若きグールドの録音集:the young maverick/le jeune original(6枚組)の収録曲詳細。バッハの録音: Disk1Disk2 / ベートーヴェンの録音 Disk3Disk4Disk5 / 新ウィーン楽派の録音Disk6
Disk 1 (先頭に戻る)
  • J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲全曲 BWV988 (録音:1954年6月21日)
  • J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第二集から抜粋 前奏曲とフーガ No.14 BWV883, No.7 876 & No.22 891 (録音:1954年2月28日)
  • J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第二集から抜粋 前奏曲とフーガ No.9 BWV878 (録音:1952年10月21日)
Disk 2 (先頭に戻る)
  • J.S.バッハ:パルティータ第5番 ト長調 BWV829 (録音:1954年10月4日)
  • J.S.バッハ:《インヴェンションとシンフォニア》の《シンフォニア》のみ全曲 BWV787-801(録音:1955年3月15日)
  • J.S.バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 (録音:1952年10月21日)
  • J.S.バッハ:協奏曲第1番 二短調 BWV1052 (E.マクミラン指揮/トロント交響楽団 録音:1952年10月21日)
Disk 3 (先頭に戻る)
  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15 (E.マクミラン指揮/トロント交響楽団 録音時期不明)
  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19 (E.マクミラン指揮/トロント交響楽団 録音時期不明)
  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19の第三楽章のみ (E.シャーマン指揮/Startime Orchestra 録音時期不明)
Disk 4 (先頭に戻る)
  • ベートーヴェン:バガテル Op.126 (放送:1952年9月28日)
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 Op.101 (放送:1952年10月12日)
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番 嬰ホ長調 Op.7の第二楽章のみ (放送:1952年10月12日)
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第19番 ト短調 Op.49-1 (放送:1952年10月12日)
  • ベートーヴェン:アレグレット 変ロ長調 WoO39 (ザラ・ネルソヴァ Vc,アレクサンダー・シュナイダー Vn 放送:1954年7月18日)
  • ベートーヴェン:ピアノ・トリオ ニ長調 Op.70-1《幽霊》(ザラ・ネルソヴァ Vc,アレクサンダー・シュナイダー Vn 放送:1954年7月18日)
Disk 5 (先頭に戻る)
  • ベートーヴェン:創作主題による6つの変奏曲 Op.34 (録音:1952年9月28日)
  • ベートーヴェン:エロイカの主題による15の変奏曲とフーガ Op.35 (録音:1952年10月5日)
  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37 (H.アンガー指揮/CBC交響楽団 録音:1955年2月21日)
Disk 6 (先頭に戻る)
  • シェーンベルク:ピアノ協奏曲 Op.42 (J-M.ボデ指揮/CBC放送交響楽団 録音時期不明)
  • シェーンベルク:三つのピアノ小品 Op.11 (録音時期不明)
  • シェーンベルク:ピアノのための組曲 Op.25 (録音時期不明)
  • アルバン・ベルク:ピアノ・ソナタ Op.1 (録音時期不明)
  • ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 Op.27 (録音時期不明)