2011-02-15

雪村


雪村


略歴 [編集]

常陸国部垂(茨城県常陸大宮市)に佐竹氏の一族として生まれる。近くの下村田には雪村が筆を洗ったと伝えられる池がある。幼くして正宗寺に入って修行する。同寺は佐竹氏の菩提寺で絵画をはじめとした多くの寺宝を所蔵し、これらの作品は雪村の画風にも影響を与えたという。
50歳半ば頃、関東各地を放浪する。天文15年(1546年会津蘆名盛氏に絵画の鑑賞法を授け、天文19年(1550年)には小田原鎌倉を訪れ、多くの名品に接し画僧達と交流したらしい。60歳半ば以降は奥州を中心に活動、最晩年は田村氏の庇護のもと現在の福島県三春で没したとされる。その生涯には不明な点が多く、生没年もはっきりしないが、記録によれば少なくとも82歳までは絵を描いていたことがわかっている。
名前から分かるように、雪村自身、雪舟を強く意識し尊敬していたようだが、画風に影響を受けなかった。関東の水墨画のなかでも極めて独自性が高い画風を確立した。後の尾形光琳は雪村を好み、模写を幾つも試みている。明治時代以降は評価が低い時期もあり、作品は海外へ流出したが、1974年に東京国立博物館で展覧会が催されるなど近年は再評価の機運が高まり、様々な画集で紹介され日本美術史上での価値が確立した。

代表作 [編集]

赤沢英二 『雪村周継 多年雪舟に学ぶといへども』関連書籍 [編集](ミネルヴァ日本評伝選/ミネルヴァ書房 2008年)

  • 小川知二編 『もっと知りたい雪村 生涯と作品』
(アート・ビギナーズ・コレクション/東京美術 2007年)
  • 『水墨画の巨匠2 雪村』(林進ほか 講談社 1995年)
  • 中島純司 『水墨画 祥啓と雪村』(日本の美術337/至文堂 1994年)
大部な著作
画集・図録
  • 『雪村展 戦国時代のスーパー・エキセントリック』 2002年
山下裕二監修、千葉市美術館渋谷区立松濤美術館山口県立美術館福島県立美術館で開催
  • 『雪村 常陸からの出発 新規開館記念特別展』 茨城県立歴史館 1992年
  • 『雪村 日本美術絵画全集 第8巻』 田中一松ほか監修 集英社 1980年 普及版1982年