雪村
略歴 [編集]
常陸国部垂(茨城県常陸大宮市)に佐竹氏の一族として生まれる。近くの下村田には雪村が筆を洗ったと伝えられる池がある。幼くして正宗寺に入って修行する。同寺は佐竹氏の菩提寺で絵画をはじめとした多くの寺宝を所蔵し、これらの作品は雪村の画風にも影響を与えたという。
50歳半ば頃、関東各地を放浪する。天文15年(1546年)会津で蘆名盛氏に絵画の鑑賞法を授け、天文19年(1550年)には小田原や鎌倉を訪れ、多くの名品に接し画僧達と交流したらしい。60歳半ば以降は奥州を中心に活動、最晩年は田村氏の庇護のもと現在の福島県の三春で没したとされる。その生涯には不明な点が多く、生没年もはっきりしないが、記録によれば少なくとも82歳までは絵を描いていたことがわかっている。
名前から分かるように、雪村自身、雪舟を強く意識し尊敬していたようだが、画風に影響を受けなかった。関東の水墨画のなかでも極めて独自性が高い画風を確立した。後の尾形光琳は雪村を好み、模写を幾つも試みている。明治時代以降は評価が低い時期もあり、作品は海外へ流出したが、1974年に東京国立博物館で展覧会が催されるなど近年は再評価の機運が高まり、様々な画集で紹介され日本美術史上での価値が確立した。
代表作 [編集]
- 風濤図(野村美術館)重要文化財
- 雪村自画像(大和文華館)重要文化財
- 花鳥図屏風(大和文華館)重要文化財 1981年に展覧会を開催。
- 呂洞賓図(大和文華館)重要文化財
- 松鷹図(東京国立博物館)重要文化財 1974年に記念切手。
- 中琴高仙人 左右群仙図(京都国立博物館)重要文化財
- 夏冬山水図(京都国立博物館)重要文化財
- 叭々鳥図(常盤山文庫)重要文化財
- 竹林七賢図屏風(畠山記念館)重要文化財
- 鷹山水図屏風 六曲一双(東京国立博物館)重要美術品
- 金山寺図(シカゴ美術館)
- 龍虎図屏風(クリーヴランド美術館)
- 花鳥図屏風(ミネアポリス美術館)
- 楼閣山水図(バークコレクション)
- 瀟湘八景図屏風 (個人蔵)
赤沢英二 『雪村周継 多年雪舟に学ぶといへども』関連書籍 [編集](ミネルヴァ日本評伝選/ミネルヴァ書房 2008年)
- 小川知二編 『もっと知りたい雪村 生涯と作品』
- (アート・ビギナーズ・コレクション/東京美術 2007年)
大部な著作
画集・図録
- 『雪村展 戦国時代のスーパー・エキセントリック』 2002年