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音階
音階(おんかい、英: Scale:スケール)は、音が高低の順番に並べられている音列である。音階は、時代や国によって違いがあり、各地、時代の音楽の特色の原因となる。
定義
音階
音階とは一定の音が、一定の隔たりでオクターブの中に音の高さの順に並べられたものである。音階は各国各時代で変化し、現在世界で広く知られ主に使用されている音階は、五音音階、全音階、半音階である。日本音楽の場合は音階のことを旋法(せんぽう)とよぶのが普通である。
クラシック音楽において
クラシック音楽において
旋法と混同されがちであるが、音階は「音が高低の順番に並べられた音列」という無機的な概念であるのに対し、旋法は音階に旋律の作法を加えた有機的な概念である。たとえば、イオニア旋法と長調は同じ音階(長音階)を使用しているが、旋律の作法が異なるため、全く別の旋法である。ただし、ジャズの理論などでは、慣習的に呼び名が違うだけで、旋法も音階も実質的には同じであり、論理的な区別をしていない立場もある。
「音階」は西洋音楽の音楽理論用語Tonleiter, Skala(ドイツ語)gamma(イタリア語)gamme(フランス語)scale(英語)などの訳語として明治期に日本語に登場した。それまでの日本で使われていた音階に似た用語を探すと、雅楽や声明(しょうみょう;仏教の声楽)の世界において使われていた「五声・五音」「七声・七音」「調(西洋音楽で定義される『調』とは意味が違う)」などが挙げられる(更にこれらは中国音楽の音楽理論用語からきている)。したがって基本的には「音階」とは西洋音楽理論において定義されるそれ(音楽において使われる音を高さの順に並べたもの)である。
しかしながらアジア圏音階文化が西洋圏音階文化に出会い、逆に西洋音楽文化は非西洋の音楽文化と出会っている。例えばSkala や gamma と言う語に出会った事により「音階」の意味も広がっていった。アラブ古典音楽における音楽理論用語مقام(マカーム、アラビア語)、インド古典音楽における音楽理論用語रागा(ラーガ、サンスクリット)などを西洋音楽文化は「我々の音楽における『音階』のようなものだ」と考えた(ただし、研究者が主張するように詳しくマカームやラーガを見ていくと音階とそれらは教会とモスクと寺院くらい大きく違うらしいとう伝聞がある。
現在(西暦2008年)の日本では西洋音楽の教育が行われている。「五声」「七声」「五音」「七音」「調」などが現場でどのように説明されているかは明らかではない。
また、非西洋音楽との出会いにより「音階」の意味合いが広がっていった事からもわかるように、西洋音楽における音階の定義が曖昧である(例えばある一時期それは古典派の時代~ロマン派の時代前後を描写するもの等)。「音階」の背景には教会旋法(12旋法、8旋法)があり、さらにそれはグレゴリオ聖歌、古代ローマ帝国のキリスト教聖歌(ビザンティン帝国の聖歌、「オクトエーコス」)、古代の西アジアのキリスト教音楽(シリアのキリスト教聖歌など)、古代ギリシアのピタゴラスやアリストクセノスなどの音律論(音楽に関する著作・論文)などへとつながっていく。(したがって「音階」は古代ギリシア・古代ローマで研究された音律論を翻訳し、研究したアラブ人達の音楽の理論用語(マカーム)などとも関連がある;なおマカームと「音階」の関連に関してはイスラームに対する偏見により故意に無視されてきたとの指摘がある)
ジャズなどのポピュラー音楽において
ポピュラー音楽などではコードと密接な関係があり、即興演奏や作曲時のメロディー構成などで一つのコンセプトとして使われる。
ジャズなどのポピュラー音楽において
ポピュラー音楽などではコードと密接な関係があり、即興演奏や作曲時のメロディー構成などで一つのコンセプトとして使われる。
以下参照
様々な音階
一般的に西洋の音階は音度記号によって表記される。また、コード(和音)においては大文字のローマ数字が使われるが、音階の場合はクラシック音楽では小文字のローマ数字、ポピュラー音楽ではアラビア数字を使う。
クラシック音楽における名称と分類
ジャズなどのポピュラー音楽における名称と分類
調性に基づく音階とそこから派生した音階
メジャー・スケール(チャーチ・モード)
中世の教会旋法からスケールを抽出し、20世紀になって新たにスケールとして使用されるようになったもの。 9世紀、グレゴリオ聖歌 Gregrian chantで用いられていた頃は、1オクターブに12個の半音が存在することは理論的には知られていたが、音階の構成音といえばC、D、E、F、G、A、Bの7音であるという意識が主流であった。このため、ドリアといえば必ずD、E、F、G、A、B、C、D、フリジアといえば必ずE、F、G、A、B、C、D、Eの音階を指していた。現代使われるように、C ドリアン・スケールや、G フリジアン・スケールといった音階は存在していなかった。 ジャズ、ポピュラー音楽など現代の音楽では欠かせないものとなっている。
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | スペル、備考など |
---|---|---|---|
アイオニアン・スケール (Ionian) | C D E F G A B | 1 2 3 4 5 6 7 | メジャー・キーの第1音から派生したスケール Maj7上などで使用可能 |
ドリアン・スケール (Dorian) | C D Eb F G A Bb | 1 2 b3 4 5 6 b7 | メジャー・キーの第2音から派生したスケール mi7上などで使用可能 |
フリジアン・スケール (Phrigian) | C Db Eb F G Ab Bb | 1 b2 b3 4 5 b6 b7 | メジャー・キーの第3音から派生したスケール mi7上などで使用可能 |
リディアン・スケール (Lydian) | C D E F# G A B | 1 2 3 #4 5 6 7 | メジャー・キーの第4音から派生したスケール Maj7上などで使用可能 |
ミクソリディアン・スケール (Mixolydian) | C D E F G A Bb | 1 2 3 4 5 6 b7 | メジャー・キーの第5音から派生したスケール Dom7th上などで使用可能 |
エオリアン・スケール (Aeolian) | C D Eb F G Ab Bb | 1 2 b3 4 5 b6 b7 | メジャー・キーの第6音から派生スケール mi7上などで使用可能 |
ロクリアン・スケール (Locrian) | C Db Eb F Gb Ab Bb | 1 b2 b3 4 b5 b6 b7 | メジャー・キーの第7音から派生したスケール mi7♭5上などで使用可能 |
ナチュラル・マイナー・スケール(自然短音階)
ナチュラル・マイナー・スケールはメジャー・スケールの3度と6度と7度を半音下げたスケール。メジャースケールの6度から始めた音階でもあるのでそこから派生するスケールも並べ替えただけとなる。
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | スペル、備考など |
---|---|---|---|
エオリアン・スケール (ナチュラル・マイナー・スケール、自然短音階) | C D Eb F G Ab Bb | 1 2 b3 4 5 b6 b7 | マイナー・キーの第1音から派生したスケール |
ロクリアン・スケール | C Db Eb F Gb Ab Bb | 1 b2 b3 4 b5 b6 b7 | マイナー・キーの第2音から派生したスケール |
アイオニアン・スケール (メジャー・スケール、長音階) | C D E F G A B | 1 2 3 4 5 6 7 | マイナー・キーの第3音から派生したスケール |
ドリアン・スケール | C D Eb F G A Bb | 1 2 b3 4 5 6 b7 | マイナー・キーの第4音から派生したスケール |
フリジアン・スケール | C Db Eb F G Ab Bb | 1 b2 b3 4 5 b6 b7 | マイナー・キーの第5音から派生したスケール |
リディアン・スケール | C D E F# G A B | 1 2 3 #4 5 6 7 | マイナー・キーの第6音から派生したスケール |
ミクソリディアン・スケール | C D E F G A Bb | 1 2 3 4 5 6 b7 | マイナー・キーの第7音から派生したスケール |
ハーモニック・マイナー・スケール(和声短音階)
基本のハーモニック・マイナー・スケールはナチュラル・マイナー・スケールの♭7を半音上げたスケール。 ハーモニック・マイナー系は響きが独特であるため、ポピュラー音楽において使われることが少なく、さらにハーモニック・マイナー・スケールとハーモニック・マイナー・パーフェクト5th・ビロウ・スケール以外はほぼ使われない。
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
ハーモニック・マイナー・スケール (和声短音階) | C D Eb F G Ab B | 1 2 b3 4 5 b6 7 | ハーモニック・マイナー・キーの第1音から 派生したスケール miやmi△7上などで使用可能 |
ロクリアン♮6・スケール | C Db Eb F Gb A Bb | 1 b2 b3 4 b5 6 b7 | ハーモニック・マイナー・キーの第2音から 派生したスケール |
アイオニアン♯5・スケール | C D E F G# A B | 1 2 3 4 #5 6 7 | ハーモニック・マイナー・キーの第3音から 派生したスケール |
ドリアン♯4・スケール | C D E F# G A Bb | 1 2 b3 #4 5 6 b7 | ハーモニック・マイナー・キーの第4音から 派生したスケール |
ハーモニック・マイナー・パーフェクト5th・ビロウ・スケール (フリジアン・メジャー・スケール) | C Db E F G Ab Bb | 1 b2 3 4 5 b6 b7 | ハーモニック・マイナー・キーの第5音から 派生したスケール Hmp5↓と省略することもある。 Dom7上などで使用可能 |
リディアン♯2・スケール | C D# E F# G A B | 1 #2 3 #4 5 6 7 | ハーモニック・マイナー・キーの第6音から 派生したスケール |
スーパー・ロクリアン♭7・スケール | C Db Eb Fb Gb Ab Bbb | 1 b2 b3 b4 b5 b6 bb7 | ハーモニック・マイナー・キーの第7音から 派生したスケール |
メロディック・マイナー・スケール(旋律短音階)
基本のメロディク・マイナー・スケールはナチュラル・マイナー・スケールの♭6と♭7を半音上げたスケール。ジャズやフュージョンなどで多く使われる。クラシックでは下降時はナチュラル・マイナー・スケールとなるが、これはリーディングトーンを含んでいるので解決感を得るためのものであり、ポピュラー音楽においてはスケールではなく和声の扱う部類になるので、その概念自体ほとんど使われない。
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
メロディック・マイナー・スケール (旋律短音階) スーパー・イオニアン・スケール | C D Eb F G A B | 1 2 b3 4 5 6 7 | メロディック・マイナー・キーの第1音から 派生したスケール miやmi△7上などで使用可能 |
ドリアン♭2・スケール スーパー・ドリアン・スケール | C Db Eb F G A Bb | 1 b2 b3 4 5 6 b7 | メロディック・マイナー・キーの第2音から 派生したスケール |
リディアン♯5・スケール リディアンオーギュメントスケール スーパー・フリジアン・スケール | C D E F# G# A B | 1 2 3 #4 #5 6 7 | メロディック・マイナー・キーの第3音から 派生したスケール |
リディアン♭7・スケール (リディアン・ドミナント・スケール) スーパー・リディアン・スケール | C D E F# G A Bb | 1 2 3 #4 5 6 b7 | メロディック・マイナー・キーの第4音から 派生したスケール 完全五度に解決することのない ノンファンクションDom7などで使用可能 |
ミクソリディアン♭6・スケール (旋律的長音階) ドゥア・モル・スケール スーパー・ミクソリディアン・スケール | C D E F G Ab Bb | 1 2 3 4 5 b6 b7 | メロディック・マイナー・キーの第5音から 派生したスケール Dom7上などで使用可能 |
エオリアン♭5・スケール オルタード・ドリアン・スケール スーパー・エオリアン・スケール | C D Eb F Gb Ab Bb | 1 2 b3 4 b5 b6 b7 | メロディック・マイナー・キーの第6音から 派生したスケール |
スーパー・ロクリアン・スケール (ロクリアン♭4・スケール) | C Db Eb Fb Gb Ab Bb ※ C Db D# E F# G# Bb | 1 b2 b3 b4 b5 b6 b7 ※ 1 b2 #2 3 #4 #5 b7 | メロディック・マイナー・キーの第7音から 派生したスケール 完全五度で解決するDom7上などで使用可能 ※ オルタード・スケールと スーパー・ロクリアン・スケールは 実音は同じであるが表記が異なる。 |
※ メロディック・マイナーやハーモニック・マイナーから派生するスケールの名称は上記以外にも様々な言い方や表記が存在する。
シンメトリカル・スケール
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
ホールトーン・スケール | C D E F# Ab Bb | 1 2 3 #4 b6 b7 | 全て音程が全音のスケール Dom7上などで使用可能 |
ディミニッシュト・スケール
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
ディミニッシュト・スケール | C D Eb F Gb G# A B | 1 2 b3 4 b5 #5 6 7 | 音程が全音半音という規則的なスケール Dim7上などで使用可能 |
コンビネーション・オブ・ディミニッシュト・スケール (移調の限られた旋法第2旋法) ドミナント・ディミニッシュト・スケール | C Db Eb bF bG G A Bb | 1 b2 b3 b4 b5 5 6 b7 | 音程が半音全音という規則的なスケール Dom7上などで使用可能 |
クロマティック・スケール
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
クロマティック・スケール | C C# D D# E F F# G G# A A# B | 1 #1 2 #2 3 4 #4 5 #5 6 #6 7 | 全て音程が半音のスケール。 |
ペンタトニック・スケール(五音音階)
(英)Penta Tonic Scale
ポピュラー音楽においてはロックやジャズなど様々なジャンルで広く使われている。アヴォイドノートが存在しないため、古代から民謡、童謡、ブルースなどのほとんどがこのスケールによってメロディーが作られている。
ペンタトニック・スケール
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
マイナー・ペンタトニック・スケール | C Eb F G Bb | 1 b3 4 5 b7 | ナチュラル・マイナ・スケールの第2音と第6音を抜いたスケール |
メジャー・ペンタトニック・スケール | C D E G A | 1 2 3 5 6 | メジャー・スケールの第4音と第7音を抜いたスケール |
ブルース・スケール
ブルースやロックなどでよく使われるスケール。
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
ブルース・スケール | C Eb F Gb G Bb | 1 b3 4 b5 5 b7 | マイナー・ペンタトニック・スケールにb5の音を加えたスケール |
その他の民族音階
ヨーロッパの音階
ハンガリーの音階
ハンガリーなどの民謡で使われるスケール。
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
ハンガリー・スケール | C D Eb F# G A B | 1 2 b3 #4 5 6 7 | メロディック・マイナーを♯4にしたスケール |
ジプシーの音階
ジプシー音楽などで多用される。
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
ジプシー・スケール | C Db E F G Ab B | 1 b2 3 4 5 b6 7 | ハーモニック・マイナー・パーフェクト5th・ビロウ・スケールを♮7にしたスケール |
スペインの音階
スパニッシュ・スケールはフラメンコなどの音楽で多用される。
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
スパニッシュ・スケール | C Db Eb E F G Ab Bb | 1 b2 b3 3 4 5 b6 b7 | フリジアン・スケールにMajor 3rdを加えたスケール |
アラブの音階
(もっと詳しくはマカームを参考)
- 半音の半分、1/4音下げる記号をここではqと表記する事にする
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
マカーム・ラースト | C D Eq F G A Bq | 1 2 q3 4 5 6 7 | |
マカーム・ナハーワンド | C D Eb F G Ab B | 1 2 b3 4 5 b6 7 | ハーモニック・マイナー・スケールと同一のスケール |
マカーム・ナワサル | C D Eb F# G Ab B | 1 2 b3 #4 5 b6 7 | |
マカーム・ナグリーズ | C D Eb F# G A Bb | 1 2 b3 #4 5 6 b7 | ドリアン♯4・スケールと同一のスケール |
マカーム・ヒジャーズカル | C Db E F G Ab B | 1 b2 3 4 5 b6 7 | ジプシー・スケールと同一のスケール |
マカーム・バヤーティー | C Dq Eb F G Ab Bb | 1 q2 b3 4 5 b6 b7 | |
マカーム・サバー | C Dq Eb Fb G Ab Bb | 1 q2 b3 b4 5 b6 b7 | |
マカーム・ヒジャーズィー | C Db E F G Ab Bb | 1 b2 3 4 5 b6 b7 | ハーモニック・マイナー・パーフェクト5th・ビロウ・スケールと同一のスケール |
マカーム・クルディー | C Db Eb F G Ab Bb | 1 b2 b3 4 5 b6 b7 | フリジアン・スケールと同一のスケール。 |
マカーム・スィカ | Eq, F, G, A, Bq, C, D, Eq | ||
マカーム・フザム | Eq, F, G, Ab, B, C, D, Eq |
インドの音階
(参考 ラーガ)
北インド(ヒンドゥースターニー音楽)の10のタート(バートカンデによる)
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
ビラーヴァル・タート | C D E F G A B | 1 2 3 4 5 6 7 | メジャー・スケールと同一のスケール |
カマージ・タート | C D E F G A Bb | 1 2 3 4 5 6 b7 | ミクソリディアン・スケールと同一のスケール |
カーフィー・タート | C D E F G A Bb | 1 2 b3 4 5 6 b7 | ドリアン・スケールと同一のスケール |
アサーワリー・タート | C D Eb F G Ab Bb | 1 2 b3 4 5 b6 b7 | ナチュラル・マイナー・スケールと同一のスケール |
バイラヴ・タート | C Db E F G Ab B | 1 b2 3 4 5 b6 7 | ジプシー・スケールと同一のスケール |
バイラヴィ・タート | C Db Eb F G Ab Bb | 1 b2 b3 4 5 b6 b7 | フリジアン・スケールと同一のスケール |
カリヤーン・タート | C D E F# G A B | 1 2 3 #4 5 6 7 | リディアン・スケールと同一のスケール |
マールワー・タート | C Db E F# G A B | 1 b2 3 #4 5 6 7 | |
プールヴィー・タート | C Db E F# G Ab B | 1 b2 3 #4 5 b6 7 | |
トーディー・タート | C Db Eb F# G Ab B | 1 b2 b3 #4 5 b6 7 |
東南アジア、東アジアの音階
東アジアや東南アジアの音階は共通の音階が存在しており名称のみが違うものが多く存在している。また古代からアジアではペンタトニック・スケールが多用されていて、そこから派生したものが多い。
中国の音階
西洋音楽で言うペンタトニック・スケールとそこから派生したスケール
音階名 | 音階の例 | 音度記号(スケール・ディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
宮調式 | C D E G A | 1 2 3 5 6 | メジャー・ペンタトニック・スケールと同一のスケール |
商調式 | C D F G Bb | 1 2 4 5 b7 | メジャー・ペンタトニック・スケールの第2音から始めたスケール |
角調式 | C Eb F Ab Bb | 1 b3 4 b6 b7 | メジャー・ペンタトニック・スケールの第3音から始めたスケール |
徴調式 | C D F G A | 1 2 4 5 6 | メジャー・ペンタトニック・スケールの第4音から始めたスケール |
羽調式 | C Eb F G Bb | 1 b3 4 5 b7 | メジャー・ペンタトニック・スケールの第5音から始めたスケール マイナー・ペンタトニック・スケールと同一のスケール |
日本の音階
中国の音階を元に様々な形で派生していったスケール
雅楽などの古典の音階
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
呂旋法 | C D E G A | 1 2 3 5 6 | メジャー・ペンタトニック・スケールと同一のスケール |
律旋法 | C D F G Bb (下降形 A G F D C) | 1 2 4 5 b7 (下降形 6 5 4 2 1) | メジャー・ペンタトニック・スケールの第2音から始めたスケール (下降系は第4音から) |
陽旋法 | C Eb F G Bb | 1 b3 4 5 b7 | マイナー・ペンタトニック・スケールと同一のスケール メジャー・ペンタトニック・スケールの第5音から始めたスケール |
陰旋法 | C Db F G Bb (下降形 Ab G F Db C) | 1 b2 4 5 b7 (下降形 b6 5 4 b2 1) | |
琉球音階 | C E F G B | 1 3 4 5 7 |
明治以降の音階
近代になり西洋音楽の音階に当てはめられて創作された音階。
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考 |
---|---|---|---|
ヨナ抜き長音階 | C D E G A | 1 2 3 5 6 | 呂旋法と同一のスケール |
ヨナ抜き短音階 | C D Eb G Ab | 1 2 b3 5 b6 | 第4音から始めると陰旋法 |
ニロ抜き短音階 | C Eb F G Bb | 1 b3 4 5 b7 | 陽旋法と同一のスケール |
ニロ抜き長音階 | C E F G B | 1 3 4 5 7 | 琉球音階と同一のスケール |
音階名 | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
律音階(雅楽音階) | C D F G A | 1 2 4 5 6 | 徴調式と同一のスケール |
都節(みやこぶし)音階 | C Db F G Ab | 1 b2 4 5 b6 | 陰旋法と同一のスケール |
雲井音階 | C D Eb G A | 1 2 b3 5 6 | |
岩戸音階 | C Db F Gb Bb | 1 b2 4 b5 b7 |
インドネシアの音階
(参考 ララス、パトゥ(パトゥッ、パテット)、サイ・ピトゥ、ガムラン)
スレンドロ (英)slendro
本来はおおざっぱに1オクターブを5等分したもの、C, D, E, G, A, C もしくは C, D, F, G, A, Cもしくは C, D, F, G, Bb, C もしくは C, Eb, F, G, Bb, C 程度の感じ。
ペロッグ・スケール (英)pelog
音階名(スケール名) | 音階の例 | 音度記号(スケールディグリー) | 備考など |
---|---|---|---|
ペロッグ・スケール | C Db Eb G Ab | 1 b2 b3 5 b6 | 第3音から始めると琉球音階となる |
本来はおおざっぱに1オクターブを5つに不等分したもの。「広い音程」と「狭い音程」の2種の音程がある。狭い音程+狭い音程+広い音程+狭い音程+広い音程。C#, D, E, G#, A, C#もしくはC#, D, E, G, A, C#程度の感じ。
関連記事
外部リンク
- スケールと音楽理論の関係を詳しく説明(シータミュージックトレーナー)