2012-03-17

Jambalaya

Hank Williams Sr. Singing Jambalaya On the Bayou.

Jambalaya                    ジャンバラヤ  (訳詞: ゆうこ)

Good-bye, Joe, me gotta go, me oh my oh     あばよ ジョー もう行くぜ あらよっと
Me gotta go pole the pirogue down the bayou.   小舟で 棹さし 下って行くんだ 水郷を
My Yvonne, the sweetest one, me oh my oh    俺の かわいい イヴォンヌと あらよっと
Son of a gun, we'll have big fun on the bayou.   てやんでえ 楽しくやるのさ 水郷で

Jambalaya and a crawfish pie and file' gumbo   ジャンバラヤ ザリガニパイ フィレガンボ
'Cause tonight I'm gonna see my ma cher amio  今夜は 愛しの あの娘に会える
Pick guitar, fill fruit jar and be gay-o          ギターに フルーツパンチ 陽気にやろう
Son of a gun, we'll have big fun on the bayou.   てやんでえ 盛り上がるのさ 水郷で

Thibodaux, Fontaineaux, the place is buzzin'    フォンテノーの ティボドーは 大にぎわい
Kinfolk come to see Yvonne by the dozen      親戚中が イボンヌを見に 集まって来る
Dress in style and go hog wild, me oh my oh    めかしこんで どんちゃん騒ぎ あらよっと
Son of a gun, we'll have big fun on the bayou.   てやんでえ 盛り上がるのさ 水郷で

Jambalaya and a crawfish pie and file' gumbo   ジャンバラヤ ザリガニパイ フィレガンボ
'Cause tonight I'm gonna see my ma cher amio  今夜は 愛しの あの娘に会える
Pick guitar, fill fruit jar and be gay-o          ギターに フルーツパンチ 陽気にやろう
Son of a gun, we'll have big fun on the bayou.   てやんでえ 盛り上がるのさ 水郷で

Settle down far from town, get me a pirogue     町はずれに住み 小舟を買って
And I'll catch all the fish in the bayou         水郷の 魚という魚を 獲ってやろう
Swap my mon to buy Yvonne what she need-o   稼いだ金で イボンヌに 何でも買ってやる
Son of a gun, we'll have big fun on the bayou.   てやんでえ 楽しくやるぜ 水郷で

Jambalaya and a crawfish pie and file' gumbo   ジャンバラヤ ザリガニパイ フィレガンボ
'Cause tonight I'm gonna see my ma cher amio  今夜は 愛しの あの娘に会える
Pick guitar, fill fruit jar and be gay-o          ギターに フルーツパンチ 陽気にやろう
Son of a gun, we'll have big fun on the bayou.   てやんでえ 盛り上がるのさ 水郷で 


■『ジャンバラヤ』の詞の語注

『ジャンバラヤ』は故郷に新婦を連れて行き, お披露目パーティをする男の喜びを, ケイジャン英語やケイジャンの風物をちりばめて歌う明るい歌です。 
歌詞を理解する手助けになるように語注をつけました。 参考になさってください。 

(1) 第1連1行目 Good-bye, Joe, me gotta go, me oh my oh
「じゃあな,ジョー。 俺, 行かなくちゃ。」 という意味ですが, カーペンターズ盤は第1連の me gotta go を he gotta go にしているので, he は Joe とは別人物であると解釈しないと話が通じません。  だから「『じゃあな,ジョー。』 男は行かなくてはならなかった。」というように客観的に描写するような訳になるでしょう。 

もちろん me gotta go は I gotta go が正しいのですが歌の調子から言うと[ai] より[i:] の方が良い, でも文法がおかしい。 というのでカーペンターズは me を he にして文法上は正しくしたように思えます 

カーペンターズは, このように非文法的な部分や下品に聞こえる言葉を変えてしまうことがあります。  
ポール・サイモンの『時の流れに』をカーペンターズもカバーしています。 この中に crap 「クソ」という下劣な言葉が出てくる個所があるのですが, カーペンターズはこの言葉を別の語に置き換えて歌っています。
詳しくはここをクリック
gotta は have got to 「~しなくてはいけない」の崩れた形。 
me, oh my oh は音を整えるためで意味は考える必要はないと思われます。 

(2) 第1連2行目 Me gotta go pole the pirogue down the bayou
pole は「ボートを竿で押して進める」。 利根川下流の水郷地帯の娘船頭さんの姿を思い浮かべればいいでしょう。
pirogue はフランス語で「丸木船」のこと。 ケイジャン語で「カヌー, ボート」の類を言うようです。 それがどういうものか知りたい時,威力を発揮するのがイメージ検索。 ここをクリック。
bayou はミシシッピー川下流のデルタ地帯に広がるよどんだ支流, 入り江, 沼地などのある地帯のこと。 

これもイメージ検索でイメージを膨らませてください。 ここをクリック 

(3) 第1連4行目 Son of a gun, we'll have big fun on the bayou.
son of a gun
 は「畜生」「こいつ」「あいつ」「野郎」「お前」といった意味の親密な男同士で使う言葉。

日本語でも江戸っ子が「憎いね, コンチキショー」と言いますが, ここの son of a gun もそれと似ています。 嬉しくて発した間投詞と考え, 「やっほー」と思いきり意訳してみました。 
そう言えばカーリー・サイモンは『うつろな愛』のイントロで Son of a gun. 「憎い人ね。」と囁いていますね。 

ところでこの son of a gun の語源は何でしょうか。 
それについては次のようなイギリス海軍起源説があります。 

(A) 昔は慰め役の女性も乗船していて gun deck (砲列甲板: 端から端まで砲が並んでいる甲板)が露天甲板ではなかったため, そこでその行為が行われおり, 船上でその女性が男の子を産むと船長がログに a son of a gun と記録し,これが軽蔑語として「やつ」を意味するようになったという説。 

(B) (A)の「慰め役の女性も乗船していて」を「港に停泊中か領海内を航行中は船員の奥さんや売春婦も乗船できて」と変えるバリエーション。 

(C) 港に停泊中に船員の奥さんが乗船中たまたま出産と重なりしかも難産のときは大砲を鳴らして出産を助けたので, 生まれてきた男の赤ちゃんは  son of a gun と呼ばれたという説。 (これはかなりマユツバモノですね。)
(D) 海軍では兵士は gun と呼ばれていたので, 友人などを親しみを込めて son of a gun と言ったという説。
これに対し, 
(E) gun が cunt の婉曲用法として使われているという説もあります。 (cunt については辞書でお調べ下さい。)
(A)~(C)はもし生まれた子供が女の子だったらなぜ daughter of a gun と言わないのかという素朴な疑問が残ります。 だから個人的には(D)か(E)が妥当な説ではないかと思うのです。
(4) 第2連1行目 Jambalaya and a crawfish pie and filé gumbo
この行はケイジャン料理の代表的なものを挙げて, 新婦お披露目パーティの楽しい雰囲気を出している行です。
jambalaya は「ごちゃまぜ料理」。 沖縄料理のチャンプルーのようなもの。 基本はライス+野菜+肉かシーフードを煮込んだものでその材料はトマト, セロリ, タマネギ, ペッパー, エビ, チキン, ブタ, 牛, ソーセージ, ハム, アヒル, さらにワニと幅広い。
とりあえずこれもイメージ検索をして味は想像いたしましょう。 ここをクリック
  crawfish 
crawfish は英和辞典では「ザリガニ」と出ていますが, 左の切手を見るとわかるようにいわゆるエビという感じがします。crawfish は大西洋の孤島トリスタン・ダ・クーニャの特産品でもあるのです。 
トリスタン・ダ・クーニャについては当サイトにコンテンツがあります。
 ここをクリック

crawfish pie は,あらかじめ用意したタマネギ, セロリ, ニンニク, トマト・ソース, ナツメグ,タイムなどからなるソースに2,3分炒めた crawfish の身とグリーン・オニオンなどを混ぜ合わせ, パイ生地で包んでオーブンで焼いたもの。 
イメージ検索してもいい写真がないですがとりあえずここをクリック
filé gumbo はササフラスの粉のことです。 歌詞サイトの多くは fillet gumbo としていますがこれは間違いです。 発音は同じですが fillet とするとヒレ肉になってしまいます。 
ササフラスは北米産のクスノキ科の木で, その根は強壮剤や香料として使われるようです。
gumbo というのはエビ, オクラ, カニ, タマネギ, セロリ, ニンニク, トマト・ソースなどを小麦粉でとろみをつけて1時間半以上煮て, ライスの上にかける料理で,  シーフード・カレーのベースをカレーではなくトマト・ソースにしたと考えれば良いのではないでしょうか。 イメージはここをクリック
 filé gumbo はこの gumbo 料理の風味付けに使う香辛料で, カレーならカレー粉に当ると言えるでしょう。
イメージはここをクリック
(5) 第2連2行目 'Cause tonight I'm gonna see my ma cher amio
ma cher ami-o はフランス語の ma chère amie 「私の親愛な女友達」からできたケイジャン英語(仏語)で文脈から考えると「愛する女性」ということではないでしょうか。 ma = my なので my が余分ですが。。
(6) 第2連3行目 Pick guitar, fill fruit jar and be gay-o
fruit jar はシロップ漬けなどにした果物を入れておく口の広いガラス壜。 欧米ではアンティークな fruit jar を収集している人も多いようです。
ここでは一種の披露宴が開かれるので fruit jar に入れるのを果物ではなくアルコールとしてみました。 もちろん果物をいっぱい詰めたとしてもいいと思います。 
gay-o は「楽しい」の gay に韻を合わせるために o を添えたと言えますが, フランス語っぽく聞こえるようにするためでもあるかもしれません。 
第5連の need-o も同じです。
(7)第3連1行目 Thibodaux, Fontaineaux, the place is buzzin'
Thibodaux, Fontaineaux はフランス語の固有名詞「ティボドー,フォンテノー」。 ここでは地名としました。 ただ2つの地名なのか1つなのかは問題があります。 多くの歌詞サイトはカンマをつけて分けていますし, 事実 Thibodaux という都市があります。
しかし Fontaineaux はありません。  もちろん架空の地名ということも考えられます。
buzzin' は「(場所が)ざわざわする」という意味の動詞 buzz の現在分詞形。
(8)第3連2行目 Kinfolk come to see Yvonne by the dozen
kinfolk は親戚, 親族。 古臭い言い方ですが古語は方言に残っていることが多いので, 方言的な響きを出す効果があるように思います。
by the dozen は単位を表す by の組み合わせで「1ダース単位で」。 しかしここでは「大勢で」訳しました。 この連に「大賑わい」「大勢」「大騒ぎ」と「大」を三連発させて楽しい雰囲気を出してみようと思ったからです。
(9)第3連3行目 Dress in style and go hog-wild, me oh my oh
go hog wild は米口語で「ひどく興奮する」。 hog はアメリカでは「成長した豚」, イギリスでは「去勢した豚」。 hog-wild とハイフンをつけて1語にして形容詞にしてあります。
wild hog なら「野生の豚」で hog wild なら「大きくなったブタのように手におえない」となります。 イギリス英語なら hog は「去勢した豚」なので wild との組み合わせはイマイチおかしいでしょうね。
(10)第5連3行目 Swap my mon to buy Yvonne what she need-o
swap は「交換する」。 mon は money のことであるのは buy から想像がつきます。 そこで「お金と引き換えにイボンヌに必要なものを買ってやる。」程度の意味であることはわかります。 なお主語 I は省略されています。 
アカディア人の歴史 ケイジャンの歴史 ケイジャン音楽 


(Jambalaya 英会話のための歌詞解説)
●pole=舟をさおで進める
●pirogue=丸木舟
●bayou=アメリカ南西部のバイュー
主にルイジアナ州とミシシッピー州の河川や湖に注ぐ支流や入り江で水の流れがゆったりしているかよどんでいて湿地帯のようになっている場所。
●sun of a gun=
 (俗)1)人、ヤツ、野郎  2)悪いやつ、悪党、暴れん坊、
                    どうしょうも無いやつ
 (間投)おやおや、しまった、何てこった!、チェツ!
     (驚き、失望、いらだちなどを表す)


  (例)Sun of a gun!=畜生!、くそったれ!、しまった!、何てこった!、ちぇっ!
     You, son of a gun!=おい お前!、しょうがないやつだな!、全くもう!、よくやった!
●Thibodaux, Fontaineaux 
  この二つの単語については2つの説があるらしい。
(説1)Thibodauxという街は現実にルイジアナにあるそうですがFontaineauxについてははっきり分かりません。Fontenotという街はあるそうですがFontaineauxではないらしい。とにかく何かの名前らしいですが、二つとも街の名前だと言う説。
二つの街がbuzzだったらthe place is buzzin'ではなくthe places are buzzin'となるはずだけど??
それで、本当の歌詞は「Thibodaux to Fontaineaux 」ではないか?という説も....


(説2)Thibodaux, Fontaineaux はbayouでパーティに参加した親戚のあだ名だと言う説。
●kin-folk=kinfolk=kin=親類、血縁、親族
●by the dozen=ダース単位で、 束になって
●dress in style=上品な服装をする
●go hog wild=1)とても興奮する、夢中になる  2)(米口)(日頃しない事を)突然たくさんする
●Jambaraya=ジャンバラヤ;
アメリカ風炊き込みご飯で主に米と野菜と肉がメインである。他に、燻製ソーセージ(andouille)、玉ねぎ、ピーマン、セロリ、ニンジンといったものを入れる。ソーセージのほかにさらに豚肉や魚介類(海老やイカ)を入れる場合もある。<引用 ウィキペディア>
ジャンバラヤをもっと詳しく 
●crawfish=ザリガニ
●fillet gumbo=ヒレ肉入りのガンボスープ
fillet(filet)=(魚、骨なし肉の)切り身、ヒレ肉、鶏のささ身
gumbo=オクラ、ガンボスープ
ガンボスープとは;
鶏肉や魚介類と一緒にたくさんの野菜を煮込んだトマトベースのスープのことでビリッと効いたスパイスが特徴。
ジャンバラヤとガンボスープ
*注意!!;カーペンターズの歌う歌詞ではfillet gumboとなっているがハンク ウィリアムスの歌では「 filé gumbo」となっている。本来は「 filé gumbo=オクラの代わりにfiléを入れたガンボスープ」なのですが、ここではカーペンターズを取り上げてるのでfillet gumbo=ヒレ肉入りのガンボとします。
余談; filé=ササフラスから作るスパイスの一種でfilé powder またはgumbo filéと呼ばれる。gumbo filéとは?
    filé gumbo=オクラの代わりにfiléを入れたガンボスープ
    filéというスパイス(filé powder=gumbo filé)はオクラが無い季節にオクラの代用としてガンボスープに使われる。
●ma cher ami(フランス語)=私の親愛なる友達
   ma=my ,  cher=dear ,   ami=friend
●pick=(弦楽器を)弾く
●gay=cheerful ;これは古い表現で、最近ではgayは主に同性愛者の意味で使いcheerfulの意味ではほとんど使わない。
●get A B=AのためにBを手に入れる
 (例)I got her a new dress.=私は彼女に新しいドレスを買ってあげた。
●settle down=1)(気持ちが)落ち着く、2)座る、身を落ち着ける、結婚して身を固める、家を持つ、住居を定める、永住する
●mon=(米俗)金、銭=money
●swap his mon to buy=金で買う
●swap=場所/物などを交換する 


(Jambalaya 和訳)


さよなら、ジョー、彼は行かなくちゃ
丸木舟を漕いでバイューへ下らなくちゃ
彼のイボンヌはとてもかわいいな
ちぇつ、俺達もバイューでお楽しみだ~い


ティボード、フォンティノー、そこは賑わっているぜ~
親戚が束になってイボンヌに会いに来る
めかし込んで夢中になるんだ
こん畜生、俺達もバイューでお楽しみだ~い


(★)ジャンバラヤにザリガニパイ、それにヒレ肉入りのガンボスープ
今夜はオイラは大事な友達と会うことになっているんだ
ギターを弾いて、フルーツ瓶を一杯に満たし、陽気にやろうぜ~
何てこった、俺達もバイューでお楽しみだ~い


街から離れて住むから彼に丸木舟を持たせないとね
そして彼はバイューの魚ぜ~んぶ採っちゃうだろう
彼はそのお金でイボンヌが要る物を買ってあげるんだ
何てこった、俺達もバイューでお楽しみだ~い