2008-09-18

Oliver Sacks

すべてが白黒に見える全色盲に陥った画家、激しいチックを起こすトゥレット症候群の外科医、「わたしは火星の人類学者のようだ」と漏らす自閉症の動物学者…脳神経科医サックスは、患者たちが抱える脳の病を単なる障害としては見ない。それらは揺るぎないアイデンティティと類まれな創造力の源なのだ。往診=交流を通じて、不可思議な人生を歩む彼らの姿を描か出し、人間
存在の可能性を謳った驚きと感動の医学エッセイ。


リバー・サックス (Oliver Sacks、1933年7月9日 - )は神経学者。2007年7月よりコロンビア大学医科大学院教授。自身の扱った患者について記した一般啓蒙書を多く記している。彼自身は、これら著作について、19世紀の医学秘話(文芸的筆致の非公式な傷病録)的な性質のものであると考えている。彼が好んで挙げる例としてアレクサンダー・ルリアの『ニーモニストの心』 (The mind of the Mnemonist)がある。

ロンドンで生まれ、オックスフォード大学クイーンズ・カレッジで医学の学位を取得し、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で神経医学の研修医となる。1965年以来ニューヨークに居住している。アルバート・アインシュタイン医科大学の神経科臨床医学の教授であり、ニューヨーク大学医学部の非常勤の教授である。また、貧民救済修道女会の顧問神経学者でもある。ニューヨーク市内で開業している。

著作には彼の担当した患者について、その詳細までが記されており、特に患者の体験に主眼が置かれている。そのうち一例では、サックス自身の例を挙げている。多くの場合、患者は完治することはないが、その代わりに自身の状況に新たな手段で対応している。

彼の代表作『レナードの朝』(同名の映画の原著、映画は実話である原著に基づく創作)では、彼が1920年代生まれの嗜眠性障害の患者に新薬のL-ドーパを投与した経験について書かれている。これはイギリスで制作されたテレビ番組「ディスカバリー」の題材にもなっている。

他の著作では、彼はトゥレット障害パーキンソン病の様々な影響などについて記している。「妻を帽子とまちがえた男」は、視失認に陥った男性についての話であり(これは1986年マイケル・ナイマンによってオペラ化された)、「火星の人類学者」は、高機能自閉症と診断された学者テンプル・グランディンについて語っている。著書は日本語を含む21か国語に翻訳されている。