2011-01-07

京都市宕陰(とういん)地区

愛宕山の山麓に位置する宕陰地区は、越畑・樒原の二つの地域で構成される。山の中腹にありながら、明治時代に村の人々の力でひかれた水路により、豊富できれいな水に恵まれ、米や野菜も作られている。広がる棚田と清流は昔ながらの里山の原風景そのまま。


京都市の北西部、四方を山に囲まれた集落、宕陰(とういん)地区。800枚もの美しい棚田が一面に広がる。空気が澄んだ冬の夕方は、斜面がオレンジ色に輝き“一年で最も印象的”だという表情を見せる。集落は高齢化が進むが、農家が一体となって、そば店を始め、活性化を図っている。都会から移住してきた元営業マンは、棚田の魅力を訪れた人たちに伝えようとしている。



宕陰は右京北西部の愛宕山ろくに位置し、樒原と越畑の二つの地区からなっています。日本の原風景を今にとどめる山里が広がり、春夏秋冬、四季折々の美しい自然の風景を楽しむことができます。
宕陰のここに注目
歴史  樒原  越畑  観光  特産物

歴史


宕陰は古い歴史をもち、昔ながらの人情味あふれる心豊かな地域です。愛宕山に寄り添うように集落が軒を連ねる山里は、古代から都人との関わりが強く、9世紀から人々が住みつき、山の暮らしを営んできました。林業と農業の里の生活は、戦後の一時期、高度成長に取り残されかけましたが、今はまた、美しい棚田や昔なつかしい里の風景が脚光を浴び始めています。

樒原


鳥居本から水尾を越えて車で30分ほど山道を走ると、樒原の美しい棚田や昔なつかしい里山の風景が広がります。日本の原風景ともいえる棚田は、山腹に約800枚広がり、春から秋にかけての景色はふるさとを思い出させてくれます。この棚田はふもとから見上げると、武士の鎧(よろい)のように見えることから、鎧田とも呼ばれています。
新緑や紅葉の季節になると、地元の守り神である四所神社は特に美しい風景となります。また、秋のコスモス畑も一見の価値があります。

越畑


越畑は、棚田とかやぶき屋根が残る自然豊かな地域です。春には山桜や山つつじの花が咲き、夏にはオミナエシ、ホオヅキなどが見られます。棚田にはぶどうやりんごが植えられ、秋には紅葉も楽しむことができます。

観光

越畑フレンドパーク松原

都市住民との交流の場として、「越畑フレンドパークまつばら」があります。越畑地域にある全館木造りの館で、そば打ちや酒米つくりなど様々な体験をすることができます。地元産の素材を使った佃煮やクッキーなどの手作り特産品も多数販売。
地域で栽培したそばを使った手打ちそばが人気。夏には地鶏バーベキュー、冬には鍋もの(いずれも要予約)なども楽しむことができます。週末には都会から大勢の人々が訪れ、新しい癒しのスポットとして注目を集めています。
体験メニュー
○そば打ち
 地元産のそばと、越畑の名水を使った本格的なそば打ち体験ができます。打ちあがったそばをその場で試食。お持ち帰りもできます。

○体験農園
 貸し農園で野菜づくりができます。月1回、農家の方による栽培指導も受けられます。

○酒米つくり
 自分で酒米を田植えから稲刈り、脱穀までを行い、伏見の醸造元で日本酒にしてもらえます。


【定休日】   火曜日(祝日の場合は営業。翌週の月曜または水曜日が振替休日)
越畑フレンドパーク松原


そば処 まつばら 

営業時間 
11:00~16:00(4~12月)
11:00~15:00(1~3月)
より詳細な情報はこちら
http://www.pref.kyoto.jp/nosonspot/koshihata.html (京都府農村振興課ホームページ)


【お問合せ】 越畑フレンドパークまつばら
〒618-8483 京都市右京区嵯峨越畑鍋浦109-1
TEL 0771-44-2700 FAX 0771-44-2701      


【交通アクセス】
電車⇒JR山陰線「八木」駅から 京阪京都交通バス(原行き)「越畑フレンドパーク前」下車

車⇒(1)京都日吉美山線より保津峡経由
(2)京都縦貫道「千代川IC」より国道477号線で京北町方面へ。
南丹高校を過ぎ、「三日市」の三叉路左折、「郷ノ口」を右折。

特産物


愛宕山(標高924メートル)や地蔵山(標高948メートル)から湧き出るおいしい水で育てられた米や野菜のほか、夏のオミエナシ、ホオズキなど切り花も盛んに出荷されています。また、都市近郊高冷地という立地条件を生かしたキクナなどの栽培も盛んです。