2011-01-15

奥田政行

Masayuki Okuda シェフ 奥田政行 私が生まれ、いまも暮らす庄内地方には、海、山、川、平野すべてが狭いところに揃っています。澄んだ空気、輝く光、美味しい水、豊かな土壌に恵まれ、そして人々の熱い思いに支えられて、味わい深いさまざまな食材が生まれています。私たちはそれら食材の、ひとつひとつが持つ小さなつぶやきに耳を傾け、持ち味を最大限に生かす新鮮、シンプル、スピーディー調理を心掛けながら、皆さまの身体と心に満足を感じていただける料理を、ご提供したいと思っています。


奥田政行が厚い信頼を寄せる、庄内の実直な生産者たち
アル・ケッチァーノもイル・ケッチァーノも、そしてヤマガタ サンダンデロも、
毎日のメニューは決まっていません。
まずは朝、どんな食材が集まってくるのか、それからすべてが始まります。
食材は、私たちの料理の要です。アル・ケッチァーノ開店当時、庄内の食材
は優れているにもかかわらず、売り込み下手で奥ゆかしい庄内人気質のせ
いか、現在のように認められてはいませんでした。
奥田政行はイタリアンという手法で庄内の食材に新しい光をあてるとともに、
その販路の拡大にも「食の都庄内」親善大使活動を通じて積極的に取り組ん
できました。生産者の絆は深く、そして信頼は厚く、店にはいつも最上の食材
が届けられます。
そしてアル・ケッチァーノには、生産者優先席のグリーン・シートもあるのです。


井上馨さんの樹熟トマトを使った
「トマトのカッペリーニ」
丸山公平さんの羊を使った
「丸山さんの羊のローストとアス
パラ」

後藤勝利さんの藤沢カブを使った
「藤沢カブと山伏ポークの焼畑風」
山澤清さんの鳩を使った
「山澤さんの鳩のチブレオ仕立
て」

ソースを使わず、素材をいかして、庄内を皿に描く
奥田政行の料理のモットーは、「ソースをなるべく使わない」こと。
生命力にあふれた庄内の食材を、最短距離でお客様から召しあがっていただく
ため、独自の調理法を生み出しました。
食材を食べた時口のなかに2番目に拡がる香りと、それに相性の良い食材を合
わせると、香りがパワーアップして1+1が5になりコクが生まれます。
例えば、在来作物の藤沢カブを食べて2番目に口のなかにひろがるのは土の
香り。だから土つながりで、トリュフを探す豚のなかに潜む土の香りをあわせる。
こうしてできたのが「藤沢カブと山伏ポークの焼畑風」。これまでには無かった
「香りの料理」です。
使う食材はできるだけ一皿に3種類までとし、食材をまとめる塩は世界中から
集めた10数種類をできる限り抑えて使い、さらには水も鳥海山の超軟水、月山
山系の軟水、飯豊山の中硬水などを料理によって使い分けています。
[奥田政行プロフィール]
昭和44年(1969)、鶴岡市生まれ。山形県境新潟県育ち。鶴商学園高等学校
(現鶴岡東高等学校)卒業後、東京の有名店でイタリア料理、フランス料理、
フランス菓子、イタリアンジェラートの修行をし、26歳で帰郷。
鶴岡ワシントンホテル、農家レストラン「穂波街道」で料理長を経験した後、
平成12年(2000)、鶴岡市にイタリア料理店「アル・ケッチァーノ」をオープン。
オーナーシェフとして現在に至る。平成16年より山形県庄内総合支庁「食の都
庄内」親善大使を委嘱。
イタリア、ハンガリー、アメリカなど海外での活動にも高い評価を得ている。
平成18年3月にイタリアのアルチェヴィアより表彰を受ける。
スローフード協会イタリア本部主催の「テッラ・マードレ2006」では世界の料理人
1000人(日本からは11人)に選出される。
http://www.alchecciano.com/index.html